
去る6月3日、六本木ヒルズクラブにおいて、モルトベーネ→ビューティエクスペリエンスの社名変更のプレスリリースと新作発表会がありました。
40周年の記念事業として、佐藤可士和さんにCIデザイン(コーポレートアイデンティティ・デザイン)の依頼をしたという福井敏浩社長。
佐藤可士和さんと話しを進めていく中で、社名から変更していったほうがいいのではないかと思うにいたったそうです。
佐藤可士和さんが社員の皆さんにヒアリングをしたときのエピソードを披露。
「『モルトベーネってどんな会社?』とキーワードを聞いたら、『わくわく』という言葉がたくさん出てきました。これは、今までブランディングに携わったどの会社にもなかった、モルトベーネさん特有のオリジナリティ」(佐藤可士和さん)。
社名は1,277候補の中から、「新しい美の体験」というコアミッションをそのまま社名にした「ビューティエクスペリエンス」に。
ロゴも、BとEの頭文字、花や輝きをモチーフにしたデザインなど、たくさんのロゴ候補を出したなかで、最終的には、漢字の「美」をモチーフにしたロゴに決定したそう。色も、美容業界では珍しい爽やかなパープル。これもまた、何種類もの色から検討し、かつ、ロゴが決定してからさらに、社名のフォントも調整したのだそうです。
「どういうインスピレーションで最後の1つに決定するのですか?」という司会の人の質問に、佐藤可士和さんが「ここまできたら、インスピレーションで選んでいるわけではなく、会社にとって必要なデザインを選択している」と答えていらしたことが印象的でした。
この制作段階で出たビジュアルなどをもとに作った映像は、中田ヤスタカさんがサウンドを担当。佐藤可士和さん×中田ヤスタカさんという異色のコラボ。
今回のCIデザインの話を聴いてから、このビジュアルを観ると、見方も変わります。
「新しい美の体験」がコアミッションになったビューティエクスペリエンス。その体験のひとつとして、書籍も発売になりました。
今回、佐藤可士和さんがこの仕事を引き受けた理由のひとつに「福井社長が若く、今後の日本を牽引していく企業だと思ったから」と答えていらっしゃいましたが、美容業界で次々ヒットを飛ばす若い会社に、このようなCIデザインが入ったことを興味深く感じました。
今後の展開にも注目です。
(ライター/佐藤友美)