
2015.07.25 Sat
東北から生まれた地方創生の切り札 『食べる通信』の挑戦
2014年のグッドデザイン大賞で、最終候補9つの中に選ばれた『東北食べる通信』。たった1年前に創業したばかりのベンチャーNPOが決選投票に残り、2位を獲得したことは、大きな話題になった。
本書は、この食材付き雑誌『食べる通信』ができるまでと、それによって起こったイノベーションについて書かれている1冊。
「食べる通信」が世の中に投下した大きな価値は3つある。
1)地方の生産者と都市の消費者をつなげたこと
2)そして、その関係性をフィフティ・フィフティにしたこと(客は神様からの脱却)
3)東北での成功事例を、ものすごいスピードで全国に広げたこと(今後は世界展開も)
東日本大震災で被災した東北は課題先進国と言われ、東北で生まれる新しいビジネスモデルは、その後、地方創生の文脈で各地に広がっていくのではないかと言われている。
しかし、実際のところ、被災地で生まれたモデルが全国に波及した例はまだ多くはないことを考えると、この『食べる通信』の全国展開は、驚くべきスピードである。
書籍の中で繰り返し語られるのは、生産者と消費者がともに理解しあって食でつながること。
このサイトで、これからのコミュニケーションについてお話くださった佐藤尚之さん(さとなおさん)も大絶賛の「究極のファンベース」が、ここにある。
(文/佐藤友美)