選ぶって難しい【今日もコレカラ/第1005回】
先日、地方取材に行った時、朝食バイキングが有名なホテルに泊まった。
普段、私は朝ごはんを食べないのだけれど、ここのホテルは「とにかく朝食がいい」「朝食がおしゃれ」「3300円のモトはとれる」などと絶賛口コミばかりなので、ものは試しと思って朝食付きプランにしてみた。
たしかにおしゃれだった。
ビュッフェで提供されているお料理のポーションが、いちいち凝っていて、たとえば平目のフリットなんとかクリーム添えとかは、ひと切れずつお皿に乗っている。ガバッと取り分けるようなものではなく、ちゃんとあなたのために調理しました感のあるスペシャリテがいくつか選べるようになっている。
もちろん、そういうスペシャリテを全部食べるのは無理なので、いくつか選ぶことになるのだけれど、選ぶって難しいね。
食べたことがないものを食べてみたいと思うけれど、過去に食べて美味しかったもののほうにどうしても目がいく。
気づいたのだけれど、普通のコースでメニュー表だけ見て選ぶときよりも、目の前に現物があるときのほうが、むしろ難しい。
どれを選んだとしても、選ばなかったほうのことが気にかかってしまう。あれも食べたかったな、となる(食いしん坊)。
結果、選んだものだけを考えると、3300円は高いなと思う。
これは、選べたはずのもの、その「可能性に3300円を払う」ゲームなのかもしれない。
3300円ならこれがベストです。これを食べてくださいと押し付けられたほうが楽だなとも思ってしまう。
経験しないと選べないけれど、選ばないと経験できない。
たかが朝食だけど、人生みたいな話。
いややっぱり、たかが朝食の話。
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研修で出かけた企業で、「私の仕事はルーティンで」とおっしゃる方に、よく出会います。その中には、3年ほどで「仕事ってこんなものか」と思い、つまらなくなって転職していく方も少なくありません。居場所を変えることが良い場合もたくさんあります。でも。煩悩まみれの3000回の先に、解像度の高い世界がある。飽きてからが、本番。
- Writer
- #佐藤 友美