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きっかけ探しプレイ【さとゆみの今日もコレカラ/021】

#ライターになった流れ というハッシュタグが Twitter(X)でトレンド入りしていたので、私もいっちょかみしてみた。

入社式で一目惚れした 18 歳年上の上司に 1 年後プロポーズ

→ 結婚してもいいけれど、同じ会社で働くのは嫌と言われる

→ じゃあ、書く仕事でもしようかな

→ 結婚退職、フリーランスに

いろいろ反応をいただいたけれどもしかしこれは、「ライターになったきっかけ」を聞かれた時のために用意してある回答のひとつにすぎない。私以外の投稿者もきっと同じだろう。140 文字で表現する場での最適解と絡みやすい話題の提供。

仕事柄、「この職業についたきっかけ」や「この商品開発に至ったきっかけ」を聞くことが多い。そして、聞く方も聞かれる方も、これがただの「きっかけを探して安心するプレイ」だということに気づいている。

大抵の場合、「きっかけ」は、後から振り返って作られるものだ。そして、こう言っておけば納得してもらいやすいとか、笑いがとれるとか、場の空気に合わせて変更するくらいのものでしかない。

それがわかっているのに、つい、インタビューで「きっかけは何ですか?」と聞いてしまうのはなぜかという話になった時、ライター仲間のちえみが面白いことを言っていた。

「なぜそれをするんですか?」と聞く人は、相手に聞いているのではなく、実は自分に「なぜ私はそれをしないんですか?」と聞いている。自分がそっちには行かない理由を探してる。

なるほど。

実は今回、#ライターになった流れ を読んでいて、あまり面白いと感じなかった。自分がもうそれをしているからだろう。

一方、数日前に流行った #作家になった流れ は興味深かった。それはなぜ自分がそちらに行けないのかを知りたかったからだろう。

選ば(べ)なかった道に納得したくて、人はきっかけを聞きたくなるのだな。人のきっかけ話は、いつだってリトマス試験紙。

writer