
リトルゆみちゃんの大冒険【さとゆみの今日もコレカラ/第 155 回】
自分には記憶がないので、母から聞いた話。
私が4歳のとき。幼稚園の入園式で、先生たちが新入生歓迎の人形劇をしてくれた。
その人形の動きに驚いたリトルゆみちゃんは、劇の途中から大興奮しはじめ、「ねえねえ、あの人形はどうやって動いているの? 後ろはどうなっているの? みんなで見に行こうよ!」と、近くに座るお友達を引き連れて、式の最中だというのに舞台の裏側を暴きにいったらしい。
4歳児とはいえ、みんなきちんと膝をそろえて座り静粛にしているときに、勝手に席を立って舞台裏に行ってしまう私に、母はとても恥ずかしい思いをしたそうだ。式を中断させているわけだから、周りのお母さんたちは「どこのお子さん?」とざわついていたらしい。
ところが、私たち一部の冒険隊が舞台の裏側を見て大満足して戻ってきたあと、園長先生のご挨拶があった。「さっきのお子さんたちのように、不思議だと思ったことに対して、好奇心を持って行動できることはとても素晴らしいことです」と、話してくれたそうだ。そして「園では、このような子どもらしい好奇心を伸ばせるようにしていきたいと考えています」と続けてくれた。保護 者席で肩身の狭い思いをしていた母は、心底、ありがたいと思ったという。
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私が成人してから、母は街で園長先生とばったり会って、立ち話をしたことがあるという。
園長先生から、「ゆみちゃんは、どうしていますか? 入園式のことは今でも覚えていますよ。どんな大人になったのかしら?」と聞かれたそうだ。
園長先生。
私いま、48 歳なのですが、あいも変わらず、「あの裏側はどうなっているんだろう? みんなで確かめに行こうぜ!」って、やってます。
あの時、リトルゆみちゃんを好きにさせてくれてありがとうございました。
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