
やさしい言葉と摩擦力【さとゆみの今日もコレカラ/第 77 回】
きれいな言葉、さらさらさら
やさしい言葉、ふわふわふわ
がさつな言葉、がさがさがさ
人の中身は食べたものでできていると言うけれど、自分の外側にある人たちとの関係性は、口にした言葉でできていく。
だから、スムースで耳障りのよい言葉ばかり使っていると、つるんと摩擦のない関係が生まれる。
こすったり、こすられたり、ちゃんと摩擦しておかないと、いてもいなくても同じ人になってしまう。空気みたいな関係というのは、とことん摩擦しあったあとに生まれるから良いのであって、最初から空気だったら存在を認識 できていない。
話すことも書くことも、誰かを摩擦しにいく行為だ。
そして、本当にやさしい人は、やさしい言葉ばかり使わない。
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なんでそんなことを考えているかというと、昔、先輩から言われた言葉を、最近よく思い出すから。
あなたの文章は読みやすい。すらすら一気に読めてしまう。もっと読みにくいところをつくらないとダメだよ。もっと立ち止まらせないとダメだよ。もっとゆっくり読ませる場所をつくらないと、残らない。
あれも摩擦の話だったかと、最近思う。
今、先輩の言葉を思いだせるのも、そうか、あの日こすられたからか。
本当にやさしい人は、やさしい言葉ばかり使わない。
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そうだ、私は、この展示に共感しに行ったのだ。
同じ思いを抱えている人を見つけに、わざわざ美術館に足を運んだんだ。仲間がいると安心したかったんだ。共感って難しい、と言いながらも、共感したかったんだ。

