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敏腕書籍編集者の皆さんが、「ライターではなくAIに書かせる」を選ぶ理由【さとゆみの今日もコレカラ/第455回】

もうすぐなくなる? と噂の「ライター」業が、なるほどこりゃなくなるわ、と納得した話をしたい。

先日、ヒット本を続々生み出す書籍業界の編集者さんたちとご飯を食べた。

会の途中である方が「◯◯さんの会社では、AIに書籍原稿書かせてます?」と質問したところから話は転がり、結論から言うと「書籍の業界でも、近く『ライティング・ライター(※さとゆみの造語です)』は不要になりそうだね」という話で落ち着いた。

まず、大前提として、SEO記事というジャンルが既にほとんど機能していないという話からスタートした。

その場にいらしたWebメディアの編集長さんがおっしゃるには、昨年、Google検索のトップにAIの回答が出るようになったことで、各社SEO記事のアクセスが激減しているという。

たとえば「Webライターとは?」と検索をかけると、トップにこんなページが出てくる。

リンクアイコンをクリックすると、エビデンスにされた記事に飛ぶ。階層がひとつ下がったことになる。

いま、SEO記事をライターに依頼するとしたら、AIができないこと、つまり「体験した」や「使ってみた」系の記事のみだろうとおっしゃる。

いまあるSEOライティングの仕事は、早晩ほとんどなくなるだろうというのは一致した見解。そこまでは、私も同じ意見だった。

その話から、「いや、書籍だってもう、AIで書ける」という流れになる。

聞くと、各社すでに、ライターを入れずにAIで書籍原稿が作れるかの検証を始めているそうだ。

その場にいた複数の編集者さんが言うには、ビジネス書や実用書のジャンルは「書くだけだったら、わりとできそう」とのこと。すでに何冊か、AIに書かせた本も誕生しているそうだ。

面白かったのは、2つ。

それでも「圧倒的に人間にしかできない(人間がやるべき)」部分があって、それは「インタビュー」と「取材後の構成(見せ方・切り口)づくり≒企画」だという話。

逆にいうと、そこさえしっかり押さえれば、あとはAIが書いてきた原稿をリライトすることで、十分仕事になるそうだ。

もうひとつ面白かったこと。

AIの何が良いって「何度でも修正に応じてくれる」「修正を頼むのが気まずくない」という話。

書籍の原稿は10万字を超えることも多々ある。

下手なライターさんに気を遣いながら何度も書き直し依頼するより、文句を言わず落ちこまず何度でも別案を出してくれるAIのほうが付き合いやすいと皆さんいうのだ。わかりすぎる。そして恐ろしすぎる。

私はもともと、ライターの仕事の8割は「書く」ではなく「聞く(取材)」だと思っていたのだけれど、それがさらに顕著になりそうだ。

これからのライターの仕事は、「ライティング」ではなく「インタビュー・構成(企画)・校正(リライト)」になっていくのだと思う。

ええとつまりこれは、ほぼ、編集者の仕事ですね。編集はなくならない。

そして、編集者だけで本が作れてしまうけれど、編集者だけでは手が足りないところはライターが手伝うようになるんだと思う(あ、ただし、「リライト」は必要なので、ライティング技術が全く不要になるとは言えないだろう)。

昨年、『書く仕事がしたい』の編集者、りり子さんと「超集中ライティング講座」をしたのだけれど、りり子さんが「7時間分のさとゆみの講義の中で、買うべきは『取材』、次は『面白い原稿(どれだけ生身の人間のエピソードを引き出すかという話だった)』」とおっしゃっていたのが、よくわかった。そこがライターの生き残りの道になっていくのだろうな。

書籍業界は初版部数がどんどん減ってきていて、ライターに従来レベルの原稿料を払うのが難しくなっている。そうなると、削られるのは当然、著者さんのほうではなく(著者さんがいないと本は成り立たない)、ライターのほうだ。

この原稿料では食べられないと、書籍ライターを廃業する人の話も聞く。

こうなってくると、AIを活用して(ライターを外して)書籍を作ろうという流れがくるのは当然だけれど、そうか、ここまで進んでいるのかと思った次第。

続きはまた。

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「今日もコレカラ」は毎朝7時に更新して24時間で消えるショートコラムです。今日もこれから良い一日を。

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