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付箋を立てるのやめたら読書がラクになった【今日もコレカラ/第982回】

先日、書評家の豊崎由美さんの講義を受けた。その時、ポロリとおっしゃった話を思わずメモする。

昔は本を読みながら、ここは重要だと思う場所に付箋を立ててたのだけれど、今はやめた。
というのも、付箋を貼ろうとした時にうまく付箋が剥がれなかったりして、ときどきイラっとくるから。
本を読んでいる時に、イラっとするのはよくない。

というようなお話だった。

実は私、
①ドッグイヤーだとそのページのどこが良いかわからなくなるから付箋を使うようになった
②出先で付箋を持ってくるのを忘れたから、今日は読むのをやめようと思うことが多くなった
ココフセン(本に付箋ケースごと貼れる付箋)に出会ってから、読書がしやすくなった
④それでもやはり、本を読み終わる前にココフセンを使い切ったり、新しく買った本をすぐに読みたい時には不便

みたいな変遷を辿ってきた。あと、意外とココフセン、高い。

そして、豊崎さんがおっしゃるように、付箋を剥がす時の、うまく剥がせなくてちょっとイラっとする感じ、たしかにある。
いちいちページに指を挟んで、表紙にくっつけてある付箋をとるのも、実はささやかな、本当にささやかなフラストレーションだ。
とはいえ、仕事がら(本について原稿を書かなくてはならない)、ポイントを絞らずに本を読むのは無理だ。

じゃあ、豊崎さんはどうしているのかというと、初読はペン一本持って気になったところに線を引くだけで読み進めるのだという。そして、再読時に線を引いたところを中心に読み直して付箋を立てる。再読だから、厳選して付箋を立てることになるそうだ。
そういうやり方に変えたとおっしゃる。

もちろん、このやり方だと、本は汚れる。本を綺麗に読みたい人には不向きだと思う。
でも、本を読み込むためには汚してもいいのだ、自分以外の人に貸したり古本として売ったりしないのだと決めてしまえば、このやり方はめちゃくちゃストレスがない。
むしろ古本で買ってきて思う存分書き込みするのもいいかもしれない。

私の場合、本に書き込みをする習慣も戻ってきて、より読書が楽しくなってきた。

そういえば、大学時代のこと。
是枝裕和さんに卒論のテーマを伝えたら、これを読むといいよと貸してくださった本があった。アメリカのニュージャーナリズムについて論考された本だったと思う。

本にはいろんな箇所に線が引いてあり、余白にあの丸っこい字で感想や疑問や自身が考えたことなどが書いてあって、その手書きの文字を手引きに本を読んだのはとても面白かった。たしか、鉛筆の文字だった気がする。

本はこうやって読んでいいんだなあと思った体験だった。

もう一度、あの読み方をしよう。

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