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だから売れなかったのか!【今日もコレカラ/第992回】

1年半ぶりにブックライティングのお仕事をさせてもらった。
お世話になった著者さんのご紹介だったことと、私自身が、著者の池田紀行さんのお話を一度聞いてみたいと思ったことが理由だ。

その本が、先日発売になった。
タイトルは、『「だから売れなかったのか!」がわかる本』

このタイトルは池田さんを筆頭に、みんなで相談して決めたのだけれど、とてもとても思い入れがある。

というのも、ある日、8時間の取材(!)を終えて、みんなでご飯を食べているとき、ほろ酔いになった池田さんがぽろっと「自分の強み」について話してくれたエピソードがきっかけになったタイトルなのだ。

池田さんはこんな話をしてくれた。

マーケティングの業界には、レジェンドと言われるようなスターが何人もいる。その人たちには「あれは俺の仕事だ」と言えるような、華々しい業績がある。でも、自分にはそれがない。
にもかかわらず、僕のもとには、いろんな企業の方からマーケティングの相談がある。それはなぜかというと、僕が、日本じゅうのマーケターの誰よりも、企業の失敗の数を減らしてきたからだと思うんです。

「失敗の数ですか?」と尋ねた私に、池田さんはある企業のコンペを受注したときのエピソードを教えてくれた。

「この施策をしましょう。この予算をここに使いましょう」と話す人ばかりのプレゼンで、唯一池田さんだけが、「ここにお金をかけるべきではありません」と言った。だからクライアントさんが池田さんにお願いしたいと思ったとあとで教えてくれたという話だった。

企業のトップとしては、いろんな施策をバンバン打って、クライアントからたくさんの予算を勝ち取ったほうがいいに決まっている。
でも、池田さんはそうしない。
なぜなら、何をやってもうまくいかないと疲弊している現場の人たちを知っているからだと言う。無理ゲーをさせられ、成果を強いられ、心が折れる人たちを、心の底から救いたいと思っているからだと言う。

この話を聞いたとき、それは渋谷の居酒屋だったのだけれど、ちょっと涙が出た。
そして、その勢いのまま深夜のうちに、池田さんの話を一本の文章にした。今日聞いた話は、構成案よりもなによりも、この本の軸になるべき考え方だと思ったからだ。
その1000文字ちょっとの文章を私はプリントアウトし、原稿を書くときは毎回、その文章を読んでから書き始めた。この本のマニフェストのようなものだったと思う。

『「だから売れなかったのか!」がわかる本』
サブタイトルは、
『誰よりも「失敗」を減らしてきたマーケのプロが教えます』

帯にある
なぜ、あなたの「一生懸命」は売上につながらないのか?
も、本当にいろんな人の切実な悩みを聞いて解決してきた池田さんならではのコピーだと思う。
一生懸命な人を、でもうまくいかない人たちを救いたいんですと、池田さんは何度も言っていた。

4人の登場人物が、それぞれ抱えている悩みを解決していく話なのだけれど、マンガのような仕立てになっているので、めちゃくちゃ読みやすいです。
なにより、お金まわりやマーケティングにど素人の私が質問しまくって書いているので、どんな人にも理解できる内容になっていると思います。

とくに、「地方メディアの編集者さん」と「美容師さん」の話は、ライターのみなさんにもめちゃくちゃ勉強になると思うので、ぜひ、読んでもらいたいです!!!!

amazonより

writer