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チルチルミチル【さとゆみの今日もコレカラ/007】

メーテルリンク作の『青い鳥』は、チルチルとミチルの兄妹が、幸せの青い鳥を探して異界を旅する物語だ。どこに行っても青い鳥は見つからず、あるいは見つかっても連れて帰ろうとすると死んでしまう。失望した二人が家に戻るとそこに青い鳥がいたという話。ゆえにこの作品は、「近すぎて気づかない場所に本当の幸せがある」と解釈されることが多い。

日常にある幸せに気づけないというのは、たしかにそうかもしれない。でも、この話の肝は「旅をした」ことにあると、私は思う。旅の間に二人はいく

つもの経験をした。家を出る前の二人とは別人だ。別人になっているから、自分たちの居場所を再解釈できる。

たとえるなら、螺旋階段をのぼったようなものだろうか。上から見たら、一周回って同じ場所に戻ってきたように見える。でも下から見たら、ずいぶん前に進んでいる。

新しいものさしを手に入れて戻ってきたとき、慣れ親しんだ我が家にも再発見が生まれるだろう。ずっと部屋の中にいたならば、鳥は青くならないのだ。

昨日、旅は思い出すためにすると書いたけれど旅は、戻ってくるためにするものでもある。

戻ってきた場所をもっと愛するためにする。

チルチルミチル。すきすきみちる。

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