
心配するな、きっとうまくいかないから【さとゆみの今日もコレカラ/第 140 回】
先日インタビューされた時に、自分がポジティブかネガティブか、の話になった。その話が面白かったので、ねえねえ、聞いて。
インタビューの最中に「結果が出ないときにどう考えるか、たとえば企画が通らないと、落ち込まないか」と聞かれた。そこで、「うーん、落ち込むことはあんまりないですね。次、いってみよう次、と思います」と答えたら、インタビュアーの方に「さとゆみさんて、本当にポジティブですね」と、言われた。
あれ? そうかな、と思う。
たしかに、私は明るく陽気で前向きなハイジタイプだと思う。かれこれ 45 年ほど、クララな女子に憧れてきた。だからまあ私が元気な子であることは、その通りである。
が、それはそれとして、こと先ほどの話に関していうと、私はポジティブなのではなくむしろ、ネガティブなのだと思う。
前述の企画持ち込みで言うと、1回、2回トライしたくらいで、うまくいくとは思っていないから、ハネられても全然落ち込まない。まあ、そんなもんだと思っている。
企画だけではない。初めてトライする大抵のことは、失敗すると思っている。うまくいく方がレアだ。まず、最悪のパターンを考える。まあ、死にはしないかと指差し確認してからことにあたる。
だからやっぱり、失敗しても落ち込まない。あー、この方法はやっぱりダメかと思ってさっさと別の手を考える。次は少し確度が上がるはずだと思う。
こういった秒速の立ち直り方は、元を正せば、楽観ではなく悲観がベースにある。
もしも私がポジティブだったら、もっと早くに折れていると思う。楽観より悲観の方が、身を守るためには安全側の態度だと思っている。
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何年か前に、楠木建さんの『絶対悲観主義』を書店で見かけたとき、その本の帯の文言に吹いた。
タイトルと同じくらいの級数の文字ででかでかと、「心配するな、きっとうまくいかないから」と書かれていた。
最高です。座右の銘にしたい。
失敗なんて、だいたい、する。
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小寺 大学を休学してミラノに留学していた時は、高校時代から目指していた夢を見失ってパニックになっていました。でも「やったこともないのに諦めている自分がいる」とふと気づいたんです。当時、まだヴァイオリン作りを一度もしたことがなかったんです。やってもいないのに諦めているなんておかしいな。なんで自分はやらないという決断をしているんだろう。


