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あなたがほしい【さとゆみの今日もコレカラ/第486回】

かれこれ10回は読み返している漫画『ちはやふる』39巻に、「自分の頑張りを認めて欲しいたった一人の人」の話が出てくる。

かるたの名人として名を馳せる周防久志が、名人戦に挑む息子を持つ母に伝える言葉だ。

塾講師をしている周防は、母親にこんな話をする。

ぼくは現国とか小論文を教えていて「核」というものをよく意識します。物語の核、人物の言いたいことの核、どんな長文でもつきつめれば悲鳴のようなひとつの想いが見えてくる。

人も同じです。どんな人気者でも何万人に愛される人でも その人に認めてもらえなければなんの意味もない。そういう人がだれにでも一人いる。

たとえば、アンドレ・アガシが父に認められたくてテニスを続けていたように。たとえば、三浦綾子が福田恆存に評価されることを喜びとしていたように。

人には、「その人」の評価じゃなきゃ意味がない、という相手がいる。

世界中の人を熱狂させるアーティストが、たった一人のために曲を作っていたり、服をデザインしていたり、詩を書いていたりする。

物書きの場合、「その人」は、ライバルや師匠の場合もあるけれど、わりと担当編集者だったりすることもある。

「その人」がいることは、強みにもなるし、弱みにもなる。

「その人」がいることで、作品が瑞々しいときもあるし、逆に苦しそうなときもある。

代替不可能な「その人」が、ある日いなくなってしまうことだって、ある。

みなさんの「その人」は、どんな人ですか?

私は最近、見失っている気がする。

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