
3000円と2万円の法則【さとゆみの今日もコレカラ/第567回】
離婚して5年経った。
離婚するときは、12年連れ添ったこの関係を反故にして良いのだっけ? と悩んだけれど、最後は「これまでの12年よりも、これからの時間のほうがよっぽど長い」と思って決断した。
当時は苦しいこともあったけれど、あっという間に5年経った。あのときの私、ナイスファイトだったと思っている。
別件。亡くなった父は、パチンコが好きだった。
といっても、のめり込んでいるというほどではなく、ときどき楽しく遊んで帰ってくるくらいのパチンコ好き。
パチンコも競馬も、確率論でいうと胴元が必ず勝つことになっている。浅田次郎さんのデビューエッセイ『勇気凛々瑠璃の色』には、競馬で勝ち続けることがいかに不可能な所業か、トントンにもっていくことすらどれだけ難しいかについて面白おかしく書かれているが、とにかくギャンブルは確率論的に勝ち越しできないことがわかっている。
それをわかった上で、ギャンブルを安全に楽しむ方法を父は私に教えてくれた。
「3000円で出なかったら、必ず帰る。2万円買ったら、必ず帰る。この両方を100%実行できたら、負けが込むことはない(※平成時代の話です)」
パチンコをしたことがある人はわかると思うけれど、「3000円突っ込んで出なかったら帰る」は、非常に難しいけれどできないことはない。
これは、サンクコストの話でもある。「ここまでお金を(時間を)費やしたのだから、今、やめるのはもったいない」を、どれだけ振り払えるか。
一方で、「勝ち逃げ」は人類には不可能なレベルで難しい。まだじゃんじゃん出そうなときに、席を立つのは本当に難しい。どれくらい難しいかというと、○○を途中でやめるのと同じくらい難しい(18禁の言葉が浮かんだので伏せる。みなさんのお好きな言葉を入れてほしい)。
人をダメにするのは失敗ではなくて、小さな成功なのである。小さな成功に味をしめて欲をかいたら、深い落とし穴が待っている。
大切なことは全部パチンコで学んだ。
パチンコ、是人生之縮図也。
★今日もコレからは毎朝7時に更新して24時間で消えるショートエッセイです。今日もコレカラ良い一日を!
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