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おいしいものを食べながら3.1kg痩せました(あやしい広告ではない)【連載・炭田のレシピ本研究室/第20回】

毎日の料理は、ほぼレシピ本頼り。年間100冊以上のレシピ本を読んでいるフードライターの炭田が、いま推したいレシピ本を紹介する連載。今回は、生まれてはじめて取り組んでいる「ダイエット」がテーマ。ハタチ以降ずっと体重が変わらなかった私が、まさか「痩せたい」と願う日が来るなんて……ね。

振り返るとめっちゃ感じ悪くて、すみません

「ダイエットしたことないんですよねぇ」
「いや、なんか太る才能なくて」
「てゆうか手首さえ出してたら、痩せて見えません?」

たった1年前の自分のセリフとは信じがたい、今日この頃。ハタチ以降、日本の平均給与くらい横ばいだった体重がここにきて急上昇。まったく嬉しくないトレンドの渦中におります。私の肉体もついに「太る才能」に目覚めたようです。どう服を着こなしたところで、痩せてなんて見えません。

いままで舐めた口を聞いてきた皆々さま、本当にごめんなさい。体重って、一度増えると全然落ちないんですね。身をもって思い知りました。私も痩せたいです、ぐぎぎ。

ジムに通って太る人間がいます、私です

そもそも、なぜ太ったのか? ジムに通い始めたからである。ジムでの運動を免罪符に、好き放題好きなものを食べていたら当たり前に体重が増えた。あーらら。私の食欲は、運動で消費するカロリーを軽々上回るらしい。

だから、まずは食事のカロリーを抑えることがスタートライン。「ダイエット」を冠するレシピ本を4冊買い、図書館で8冊借り、Kindle Unlimitedで12冊読んで試したうち、これぞ! と思った本を紹介したい。

と、その前にちょっと説明すると、私は痩せるためとはいえ

・おいしさを犠牲にしたくない
・甘いものを我慢したくない
・毎日決まったメニューを食べたくない

と、思っている。

特に最後が切実で、はじめは綿密にカロリー計算がしてある数日分の作りおきレシピから試したものの、せっかく作ったおかずに2日で飽きる有様。じゃあ1週間分の献立が決まってるレシピ本なら、毎日違うものが食べられるからイケるのでは? と試してみると、翌日に食べるものが既に決まっている状態がストレス! その日の気分で食べるものを決めたい……。

これに関しては完全に私のワガママで、レシピ本たちに罪はない。だから今回は「低カロリーな食材をとにかくおいしく食べる」ための本を選んだ。まず紹介するのは、笠原将弘さんの和食屋がこっそり教える ずるいほどに旨い鶏むねおかず』だ。

この本はダイエットを謳っているわけではないけれど、メイン食材は低カロリーな「鶏むね肉」。そしてなにより、東京は恵比寿にある日本料理店・賛否両論を営み、これまで100冊以上のレシピ本を手掛けてきた笠原シェフの本だから、どのレシピもしっかりうまい。“食いしん坊ダイエッター”必携の書と言えるだろう。

amazonより

そんなしっかりうまいレシピの中から、特にダイエットに良さそうなメニューを2品紹介したい。1品目は「よだれ鶏」。もも肉で作るレシピが一般的だが、茹でたむね肉のあっさりした味わいがピリ辛のタレによく合う。というかこのタレの配合が絶妙で、毎度付け合わせの茹でもやしを倍量用意するが、それでも家族で奪い合いになるほどだ。

2品目は「ジーローハン」。こちらもむね肉を使うが、薄切りにした生姜と長ねぎで煮るのでよりさっぱりとした味付けで、昆布と一緒に煮るよだれ鶏とは味の方向性が違う。面倒に感じる人もいるだろうが、私はむしろ1品ずつに適した調理法においしさへの本気を感じてグッときた。うまいもの、食べたいじゃない。タレが甘めでややカロリーの存在を感じさせるのでタレ少なめ、勝手にキュウリの千切りやミニトマトを添えて食べるのが、私の定番になっている。

今のところ週3でこの本のお世話になり、カロリーオフの食事が続いていることをお伝えしたい。

糖質オフを阻む敵は材料、これに尽きる

さて。笠原シェフのおかげで日々の「おかず」はどうにかなったわけだが、問題はもう一つある。「おやつ」だ。
痩せるために我慢すべきとも思ったが、本屋さんに足を運ぶと「ダイエット×お菓子づくり」の本が15タイトル以上並んでいたので、開き直ることにした。痩せたいけど甘いものを諦めたくない仲間、意外と多いんだもの。

で、ここからはそんな仲間たちにとって、リアルな話をしたい。甘いものを食べても太らないレシピ本自体はよりどりみどりなんだけども、多分恐らくきっとあなたは「材料」を揃える時点でつまずくと思う。お菓子づくりのスタメンである「小麦粉」と「砂糖」は糖質オフの敵なので、代わりとなる材料を用意して作るのだが、それらの使い道がよく分からないからだ。「おから」とか「ふすま粉」とか「大豆粉」、買ったところで他の料理にどう活用すれば……?

そして極めつけが「ラカントS」なる甘味調味料である。カロリー&糖質ゼロの頼れる材料だが、いいお値段がする上にお菓子づくりに適した「ラカント ホワイト(色が白くて、お菓子の焼き色に影響を与えづらい)」なんて、スーパーに全然売ってないんである。
私は「必ず痩せる」という不退転の決意でラカント ホワイト1kg/2,380円を楽天で買った。だが、一般的な砂糖の10倍の価格なので、二の足を踏む痩せたい仲間は多いと思う。実は私も不退転などと述べつつそのお値段に腰が引けて、購入までにたっぷり2週間を要してしまった。

と、前置きが長くなったところで紹介するのは、お菓子研究家・本間節子さんの『糖質10g以下とはまるで思えない やせおかし』だ。
ダイエットではない「ふつうの」お菓子の本も数多く手掛ける本間さんの本なので、作っていて「失敗したらどうしよう」「実はまずかったりして……」というハラハラ感がないのがいい。一般的ではないお高い材料で作るからには、必ずやおいしく作りたいのが人情だ。

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手始めに作ったのは、難易度の高そうな「ロールケーキ」。スポンジ生地はボソボソもパサパサもせず、きちんと甘さを感じるしっとりした仕上がり。大豆粉を使っているが、豆特有の青臭さも特に感じない。夫も娘も「いつもと何が違うの?」と首をかしげながら食べていた。
私が特に気に入ったのは「おからチョコクッキー」。ほろ苦い味わいで、カフェオレ(無糖)によく合う。厚めなので食べ応えもあり、ちっちゃいお皿に2枚だけ乗せて午後のおやつにしている。

体重3.1kg減だけどもさ

ジム通いにより165cm50kg→54.8kgとなった私は、この2冊のおかげで51.7kgとなり体重が3.1㎏減った。でも残り1.7kgが全然減らないのである。

で、ふと思ったのだ。私ってば本当にずっと同じ体重だったの……? 7年分の健康診断の結果を引っ張り出してみたところ、こんな推移だった。

49.2kg(2020年)↘48.1kg(2021年)↗51.5kg(2022年)↘49.9kg(2023年)↗51.4kg(2024年)↗51.5kg(2025年)↗52.5kg(2026年)

いちばん痩せていた2021年から今年のMAX体重まで、なんと7kg近く違う。私の体重は、全く横ばいではなかった……。
そして数字を見つめていて、あることに気付いた。コロナ真っ盛りの2020年、無職だった2021年、フリーランス独立2年目の2023年の体重がガクッと減っている。きっと知らぬうちに、ストレスに晒されていたのだろう。
ということは、ちょっとくらい体重が戻らなくても、いまは毎日がハッピーということなのかもしれない。いやぁ~でもなぁ~もうちょっと痩せたいよなぁ~などと思いつつ、おいしいものを食べて3.1kg痩せたんだから上出来でしょ、というところで今回は手を打つとする。

文/炭田 友望

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