
本を出せちゃう人の共通点【今日もコレカラ/第640回】
書籍のライターになって10年ちょっと。
自分の経験だけではなく、いろんな編集者さん、ライターさんたちの話を聞いていると、本を出せる人には共通点があるように思う。
もちろん、圧倒的な実績や知名度があれば、多分本は出せる。たとえばドジャースの大谷選手が「僕、本を出したいんだけれど」と言ったら、ほとんどの出版社は「ぜひうちで」と、手を挙げると思う。惜しまれつつ引退した安室ちゃんが「本を出したい」と言ったら(以下同)
でも、実際には、その圧倒的有名人の本だけが出ているわけではない。
たとえば。
私は過去に美容業界で、毎年数百人ほどの美容師さんに取材をさせてもらっていた。それを15年続けていた。
中には業界を背負って立つ、それこそ美容業界にとっての大谷さんとか、王さんとか、長嶋さんとか、イチローさんとか、そういう人たちとも仕事をさせていただいていたけれど、本を出す人たちは必ずしもそういうスーパースターばかりではなかった。
不勉強ながら、お名前を聞いたことがない人もいた。だけど、そういう人たちの本が出ることもあるし、読者の方たちの心に響いて売れたケースも見てきた。
これは美容業界だけの話ではなく、どの業界の人に聞いてもよくある話だ。ベストセラーになった本において、「あの人の本が出るとは、まして売れるとは思わなかった」と業界内の人が言うのをよく聞いたものだ。
じゃあ、そういう人たちにはどんな共通点があるのか。
それをずっと考えているのだけれど、ひとことでいうと「ぱーん」としていることかもしれないと、最近思うようになった。
とくに、ビジネス書、実用書の著者さんは、みんな「ぱーん」としている。
擬音語かよ、ひどいなと思ったみなさん、ごめんなさい。
ええと、なんといったらいいかな。
ぱーん、というのは、思わず人が寄ってしまいたくなる華とでもいったらいいだろうか。
存在がぱーんとしている。
言葉がぱーんとしている。
ついつい、その人についていきたくなる。そんな存在で、そんな言葉を持っている人。どちらか片方でも十分だし、両方ならよりすごい。
はきはきしゃべるとか、明るいとか、そういうんじゃない。ぼそぼそしゃべる人でもいい。
そういう見かけ上の華やかさではなく、存在が強い、言葉が強い、とも言えるかもしれない。
最近、こんなことを考えているのは、来月、ブックライターの師匠の上阪徹さんと「本を出したい人のための超☆集中講座」をさせていただくからだ。
私はこれまで63冊の本に関わり、そのうち29冊は持ち込み企画だ。今まで持ち込みが決まらなかったのは、調べてみたら2冊だけだった。
初めて本を出したい人の企画ばかりだったから、たくさんのデビュー作に関わらせていただいた。幸せなことに、ベストセラーになった本、海外翻訳された本、著者さんの人生ががらりとかわった本などに携わることができた。
どうしてそんなに企画採用率が高かったかを考え直してみたところ、企画書の書き方にコツがあるのはもちろんなのだけれど、著者さんのほうにも共通点があるなと思った次第である。
素晴らしい本が世の中に出ると、誰かの人生が変わる。著者の人生も変わる。
そのはじまりの場所に立てる、この仕事は本当に楽しい。
いま、本が売れない時代だというけれど、それでも、「私の人生が変わった○○」というと、「本」の存在を挙げるひとはまだ多い。そこは、web記事ではないことが多い。やっぱり本という形態でしか表現できない何かや、受け取れない何かがあるのだと思う。
当日は、私が思う本を出せる人の共通点「ぱーんとしてる」をもっと詳しく、もっと解像度をあげてお話できたらなあと思っています。
今日の正午からお申し込み開始です。会場、50名しか入れないので、ぜひお早めにお申し込みください。会場限定の時間もあるので、会場がおすすめなのですが、遠方の方は、アーカイブもぜひどうぞ。
さてさて。今日は、今年唯一お引き受けした書籍ライターの仕事で、久しぶりの東京に向かっています。著者さんと相談して、8時間のロングインタビュー! 楽しみなり!
※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。


