検索
SHARE

みるみる本が読めるようになる魔法の指輪【今日もコレカラ/第664回】

昨年、本読みの友人が一風変わった指輪をプレゼントしてくれた。
本を読むための指輪だという。

「最近、なかなか本を読めなくなっていたのだけれど、これを使うようになってからまた多読できるようになってきた。騙されたと思って、さとゆみも使ってみてよ」
そう言って渡してくれた指輪は、キヤノンのページクリッカーだった。

プレゼンなどで使う、パワポを手元でクリックするあのクリッカー。その指輪バージョンである。親指ひとつでページめくりできるのだが、これをkindle読書に使うのだという。
「え、kindleのページめくりって、ワンタップするだけだよね。そんなに面倒じゃなくない?」
という私に、友人は
「いや、だからさ。騙されたと思って使ってみてよ」
と、にこにこしている。

果たして、この指輪の効果が、絶大だった。ページ送りのたびにケータイに触れなくていい。これがどれだけ読むことの負担を減らすことか! ちょっと驚いた。
老眼が進むと、kindleの画面の文字が大きくなる。いきおいページをめくる回数も増えるのだけれど、これさえあれば、親指を動かすだけで事足りる。

カフェなどで本を読むときは、ケータイをテーブルの上に置いたまま、一度も触らずに本を読める。ずっと書見台の上で(しかもページめくりが不要で)本を読める感覚だ。この魔法の指輪をもらってから、読書量が明らかに増えた。

そして読書量が少し増えたら、ここしばらく読書のない人生を送れていたことにびっくりした。
かつては週一で書評を連載できるくらい読んでいたのに。こんなに大切な習慣を、私は手放しつつあったのだ。
危ない。危ない。死ぬとこだった。

残りの人生、ありとあらゆる手段で本を読みたい。

ベストセラーになった『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の結論は、「忙しいから読めない」ではない。私たちが生きる世界が「本(=ノイズ)を必要としない」世の中になりつつあるという内容だった。
そして、修養のための本と教養のための本がどれほど違うのかを説くものだった。
これを読んだとき、ああ、これは八方手を尽くして読もうとしないと、この先の人生は読めなくなるんだなと思ってゾッとした。

魔法の指輪だけではなく、いま、それこそあらゆる手段で本を読もうとしている。

①徒歩&立ちの移動時間は全部オーディブルを聴く
②料理と掃除とお風呂、ケータイゲームをする時間もオーディブル
③話題の新刊は惜しみなく買う
④出かけるときはバッグに本を1冊入れていく
⑤座れる移動時間は紙の本or魔法の指輪×kindle
⑥寝る直前は魔法の指輪×kindleを読む
⑦一冊を読み切る前に次に手をつける。何冊も併読する
⑧本には付箋を貼らない、メモもしない。とにかく雑に読む
⑨一度読んだあとに、気になった言葉を残そうと思ったときは検索してメモするor再読する
⑩ 感想をアウトプットしなくてはいけない場所を増やす(書評を書く場所を増やす)

そんなこんなで、今月は15冊くらい読んで(聞いて)いるだろうか。
意外と⑦、⑧、⑨がだいじだったように思う。

本のある生活に戻ると、もう残りの人生は、これだけでいいような気持ちになってくる。

※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。

writer