
手のひらにのる言葉と後ろ足の踏ん張り【今日もコレカラ/第938回】
今日は、NHKさんで「本を読んで感想を書く」講座の日。
エッセイを書くときにも、書籍のレビューを書くときにも、講座生のみなさんに伝えるのは
「自分の手のひらにのるサイズの言葉を使おう」
ということだ。
誰かの借り物の言葉ではなく、自分の目で耳で観察し、自分の体の中を通って出てきた、生身の言葉を使おう。
言い換えれば「自分の扱える範囲の言葉だけで書く」ということだろうか。
これが、意外と難しい。
ともすれば、手垢のついた常套句に逃げたくなるし(手垢のついた常套句って言葉自体も手垢がついた常套句だ)、誰が主語かわからない大きな言葉を使いたくなるし、何か言っているような(でも何も言っていない)まとめ言葉に走りたくなる。
そのときにぐっとこらえて、なんとか踏みとどまって、自分がよく知っている言葉と言葉の組み合わせで語る。
日常生活において、いかにも頭のみで言葉を操っているなというときと、おなかなど身体を使って言葉を支えているな、というときの感覚の違いは、僕に限らず誰にでも経験があると思います。
結局、自分にしっくりくる言葉には限りがあって、それを活用するしかない
いずれも翻訳家・柴田元幸さんの 『ぼくは翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』より
その、ぐっと踏みとどまる後ろ足の強さみたいなことを、鍛えているような。そんな講座です。
なんと、梅田コースは引き続き2期もやるらしいです。楽しい読書会なので、ぜひぜひ、どうぞ(近く、告知があるそうです)。
ちなみに今日は、小川哲さんのこの本をみんなで読みます。

※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。


