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問いのプレゼント【さとゆみの今日もコレカラ/028】

今年の夏、大阪梅田の蔦屋書店さんで、トークイベントをさせていただいた。お相手は毎日放送の西靖アナウンサー。

イベントが終わったあと、会場に来てくれた友人たちと食事をしたのだけれど

「さとゆみって、ものすごく考えてから話すよね。沈黙が長くてドキドキした」

「そうそう。で、考えたあげくに、わかりませんって言うよね」

と、つっこまれた。

たしかに私は、質問してくれた相手をよく待たせてしまう。長考しているときは大抵、初めて考える問いをもらった時だ。

脳はフル回転している。思いつく限りの解を片っ端から代入し、その解は常に成立する? たとえばこのケースなら? 例外は? と、将棋のように何手先までもシミュレーションする。

脳内に細く頼りない回線が次々と生まれては消える。あちこちに触手を伸ばすが、どの回線も最後は行き止まってしまう。違う多分これは解じゃない。もう少し時間がいる。あと1時間、できれば、あと1日。ひょっとしたら、あと1年。

手詰まりになってはじめて、「すみません。考えてみたのだけど、よくわからなかったです。あとでゆっくり考えてみます」と答える。あまり自覚はないのだけれど、人に言わせると、10 秒くらい無言のこともよくあるらしい。

問いはプレゼントだ。

手に負えない問いをもらうと、嬉しくてずっとわくわくしている。毎日ポケットから取り出しては考え、また行き止まっては、ポケットに戻す。次の日も考える。その次の日も考える。そうしているうちに、ある時ふっと暫定解が立ち上がる。これかな、と思った細い糸の端っこを手繰り寄せ書き出してみる。昇華される問いもあるし、より深き迷路に進むこともある。

今日 CORECOLOR にアップしたシャープさんのインタビューは、半年前の梅田のトークイベントの帰り道で、互いに解を保留した問いの続きでもあった。

「書くことは、迂回をすることだと思う」。

長考の末の、シャープさんの一手に痺れた。

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