
いつまでも諦められない理由【さとゆみの今日もコレカラ/第 163 回】
星野リゾートの星野社長にインタビューをさせていただいたことが何度かある。数年前、最後にお話を聞いたときは、星野リゾートの北米進出における戦略について語ってくださった。
ホテル業界の一丁目一番地は北米市場なのだという。北米で認められてこそ、グローバルのホテル業界で存在感を持てるのだとか。アパレル業界の新宿伊勢丹のようなものだろうか。
さて、その北米市場に打って出るにあたって、星野社長が最も重要視していることが「日本らしさ」と「星野らしさ」を全面に出して勝負することだとそうだ。リッツの真似ではない、ヒルトンの真似ではない、星野にしかない「らしさ」。
その時におっしゃっていたのは、「温泉」だった。星野リゾートの最も得意とする「本物の温泉旅館」を武器に、北米で勝負する。
大事なのは、海外の文化に「合わせない」ことだと星野社長は強調する。水着で入れるスパのようなものではなく、裸で入るガチの温泉を提供すること。
「この国では他人と裸で風呂に入る習慣はない」と、どこでも反対を受けたそうだ。しかし、「100%本物の温泉」で勝負しないと、失敗したときに何がダメだったのかがわからない。100%で勝負してダメだったときは修正がきくが、相手に合わせてアジャストしたサービスを提供してダメだったときは、修正すべきポイントが特定できない。結局挑戦が無駄になる。
そんな話だった。
この話が、ずっと頭に残っている。
星野社長がおっしゃることは、あらゆる挑戦に当てはまると感じたからだ。
持てる力をセーブしてコトにあたると、失敗したときに「まあ、今回は全力じゃなかったから」と思ってしまう。そう思うことで、自分の心は守れるかもしれないが、費やした時間は著しく無駄になる。出し惜しみが、一番効率が悪い。
やるなら 100%をぶつけて、玉砕するならしたほうがいい。心は折れるかもしれないが、その場合は「やりきってダメだった」という諦めがつく。もしくは
「この方法では全然ダメだ」ということがわかるから、方向転換ができる。ちゃんと失敗できないから、いつまでも心が残ってしまうし、諦めがつかないのだなと思う。
諦めるという言葉の語源は「明らかにする」だ。
全体重をかけて明らかにしないと、諦めることもできない(今思ったけど、恋愛も同じだな)。
なーんてことを思っていたら、昨日読んだ尊敬する著者さんの本に「100%では全然足りない。やると決めたときは、期間限定で 120%でコトにあたれ」と書いてあって、あ、まるで甘かったなってなりました。
4月から、新しい領域にチャレンジしているのだけれど、やはり時間もお金もかけて、超全力で一気に畳みかけようと決めた次第。
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このまま会社に残るか、転職するか、起業するか。悶々と考えました。最終的に行き着いたのは、「自分が信じる道を続けたい」という強い想いです。アメリカに抹茶市場が来ることは確実です。自分がしなくても、誰かが抹茶市場を大きくする。それを俺はこのまま指をくわえてただ眺めるのか。い や、自分がその景色を作りたい。


