
なんだか人生の話【さとゆみの今日もコレカラ/第 165 回】
何かができないこと、というのはそれほど悪いことじゃないんだなと最近思う。選択肢が少ないということは、迷う時間が短いということでもある。
たとえば私の場合、身体の調子が悪いと、おのずとできることが限られてきて、自分が本当にやりたいことだけをするしかなくなる。そこではじめて、くっきりとやりたいことが見えてくる。他は全部やめて良いな、と思えるのは、全部を手に入れるだけの残り時間がないとわかるからだ。
そう考えると、歳をとるのもよいことだと思える。
先日、ある作家さんとご一緒させていただいた。
ご著書から推察するその方の生き方は、こうでありたいものだと憧れる生き方なのだけれど、聞けばその方は、物書き業を始めてすぐに、受注仕事をするのではなく、自分が書きたいことを書いて生きていこうと決められたらしい。
私は、そういう生き方に憧れていながらも、ついついあれもこれもと手を出して、なまじ小器用だから、どれもこれもそれなりに楽しくなってしまって、求められれば嬉しくてほいほい仕事を引き受けて、気づけばもうすぐ 50 歳である。
あれ、残りの時間が見えてきたぞ、体調万全の日はそう多くないぞ、となってはじめて、「自分が」やりたいことの輪郭がくっきりしてきた。
気力も体力も、衰えきる前に気づけてよかったなあと思う。
いや、逆か。
気力も体力も落ちてきたからこそ、気づいたのか。
無理なくできた若い頃は、自分のやりたいことに気づかず
できなくなってから、やりたいことに気づく。
なんだか、人生みたいだ。
いや、人生の話か。
とりあえず、まだ間に合っているのが朗報だ。
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20 代から、いっぱい稼ぎたい! と頑張ってきたけど、この本もしかして人生変える出会いかも、と感じた瞬間だった。


