
一時保留ボックス【さとゆみの今日もコレカラ/第373回】
断捨離や整理整頓の本には、たいてい「一時保留ボックス」が出てくる。捨てるか残すか迷うものをいったん入れておくボックスを作り、1ヶ月間使わなかったら捨てましょう的な、あのボックスだ。
このボックスがあると、悩んで作業の手が止まるということがなくなる。
書籍の原稿を書くようになった時、編集者さんにアドバイスされたのが、「ボツ原稿ボックス」を作りなさい、だった。
一度書いたがイマイチというとき(書籍の場合はそのイマイチが3000字とか4000字とかあったりする)。捨てるのがもったいないからと、その原稿にこだわって修正しようとしても良い原稿にならない。
だからいったんボツ原稿ボックスに原稿を移動する。完全に捨てるわけではない。敗者復活もアリと思っておけば、次に進めるというアドバイスだった。
断捨離における、一時保留ボックスに似ている。1ヶ月後、最後まで書き進めてやっぱり使わない文章だったら、するっと諦めもつく。
この方法を知ってから、私は書籍を書くのがすごく楽になったのだけれど、実はコレ、人間関係にも言える気がしている。
ちょっと気まずいことになったとき、モヤっと発言が気になった時。昔の私は、すぐにそのこじれをなんとかしようと動いた。宵越しの金と気掛かりを持てないタイプである。
解決を急ぐあまり、火に油を注いで決別することもあれば、すれ違いに気づいて仲直りすることもあったように思う。
でも、最近は一時保留ボックスに入れることが増えた。いったん判断を保留する。それだけで、時間ぐすりがきいてくる。
1ヶ月後にもう一度ボックスから取り出した時は、あれ、なんでボックスに入っていたんだっけとなることも多い。
白黒つけずにグレーのまま置いておく。
こういう時、歳をとってよかったなあと思う。
ーーーーーーー
【この記事もおすすめ】
映画を観て、この状況は今のアメリカであれば全く可能性がないわけではないと思った。というか、映像として観るまで、この状況が想像の範囲になかった自分の感覚を恥じた。平和ボケしているぞ、自分。


