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AI病【今日もコレカラ/第639回】

先日、ある取材を受けた。
お相手はよく知っているライターさんで、もう何年も前から、たびたび取材をしていただいている。
腕の確かな方で、仕事も速い。今回も安心してお話しさせていただいた。

の、だが。今回に限って、あがってきた原稿が「あれ、本当に彼女が書いた?」というくらいの粗さだった。せっかく書いてくれたのに申し訳ないと思いつつ、かなりの分量の修正依頼をさせていただいた。

原稿の戻しを送ったら、すぐに連絡がきた。
彼女はひどく恐縮していて、「本当にすみません」と何度も謝ってくる。

突っ込むのもアレかなあと思いつつ、とても興味があったので「何かありました? 普段とだいぶ違う感じだったので」と聞いてみた。
予想していた答えは、2パターンだったけれど、やはりというかなんというか、そのうちの1パターンだった。

「最近、AIにまとめさせて納品する仕事が増えていたんです。だいぶ慣れてきたので、さとゆみさんの原稿もAIにまとめさせて、その上で私が手を入れる形にしたんです」
という。

やっぱり、そうかなと思った。原稿の行間が埋まっていなかったし、翻訳がされていなかった。原稿というよりは、サマリーだった。

これは結構怖いことだなあと思う。こんなキャリアのあるライターさんでも、こんな短期間で書けなくなるのだ。

指摘くださって本当にありがとうございました。今気づけてよかったですと、彼女には何度もお礼を言われた。私がこの件コレカラに書いてもいい? と言ったら、ぜひ書いて欲しい。きっと私みたいな人、増えてると思うんですと言われた。

AIを使わない方が良いと思っているわけではない。
ただ、気付かぬうちにインナーマッスルが根こそぎ落ちてるとか、骨粗しょう症になってるとか、脳の回線が壊死しているとかだったら、怖いなと思う。
この件があってから1ヶ月。その1ヶ月の間だけでも、別のライターさんで似たようなことが2度あった。
この病(病なのか?)、じわじわと広がっていそうだ。

この件はもう少し考え続けたい。

※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。

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