検索
SHARE

ハズさない読書【さとゆみの今日もコレカラ/009】

2割の編集者がヒット本の8割を作っている。

書籍業界でよく言われる言葉だ。エビデンスはない。しかし何人もの編集者の口から聞いた言葉なので、おそらく遠からずだろう。中には「1割の編集者がヒット本の9割を作っている」と言った人もいる。

書籍の仕事に携わるようになって知ったのは、「本は、編集者のもの」ということだ。いやもちろん、本を書くのは著者だ。コンテンツホルダーも著者だ。しかし、本を書かせるのは編集者なのだ。

どんなテーマにするのか。書店のどの棚を狙うか。どの読者層に届けたいか。タイトルはどうするか。装丁はどうするか。どのように売っていくか。そこには、編集者の思想が色濃くにじむ。

同じ著者の本であっても、編集者によって全く毛色の違うものができる。小説やエッセイはまた別だろうが、少なくともビジネス書や実用書は、「どの編集者のもとで書くか」が「何を書くか」に直結する。

だとしたら、編集者軸で本を読むのはどうだろうと考えた。本を買うとき、人は著者で選んだり、テーマで選んだり、ジャケ買いしたりする。そこに「編集者で選ぶ」を加えたら、新しい読書体験ができるのではないか。お気に入りの編集者が見つかったら、その編集者が作った本を追いかけて読む。経験から言うと、まずハズさない。

CORECOLOR には「編集者の時代」という企画がある。今日、ダイヤモンド社の編集者・今野良介さんのインタビューをアップした。「彼が編集する本は全て買う」というファンを何人も知っている。私もだ。

今回のインタビューで、なぜ私が彼の本に惹かれるのかの一端を知った。そして「編集者軸で読む」という本選びがなぜハズれにくいのかも、わかった。

本とは掛け合わせなのだ。著者×編集者。

writer