
能登に行ってきました【さとゆみの今日もコレカラ/第 232 回】
のと里山空港に降り立つと、フライトの遅延を詫びるアナウンスとともに、「地震の影響で滑走路にはまだ小石が残っているので、飛行機がそれを踏んだら揺れますが安全には支障ありません」と説明があった。発災から半年近く経ったいまも、こういったところに影響が残っているのだと知る。
予約していたタクシーの運転手さんは、ときどき急なブレーキを踏む。道路が盛り上がっていたり、亀裂が入っていたりして、それらをよけながら車は進む。
家が潰れ、屋根の頂点にあたる棟の部分が自分の足元にあるのをみると、頭がぐわんとねじれるような感覚になる。言葉を失っていると、運転手さんが「輪島のほうは、もっとひどいです」と言う。
市内には人の気配がほとんどなかった。案内をしてくれる二角さんが「まだ水道が通っていないので、家に帰ろうにも帰れない」と言う。やっと道路がつながり、これからというところですとのこと。郵便局は最近再開したそうだ。市内のルートインは泊まれる状態だけれど、いまは復興支援の人たちで満室で、一般客が泊まれる部屋はないという。
いくつかある市内の学校は、一番被害の少なかった場所に統合され、複数の学校の先生が同じ校舎で子どもたちを教えているそうだ。公共の土地の多くは避難所か仮設住宅にあてられたので、グランドのような広い土地は、いまほとんど残っていないんですよねと教えてもらう。部活動しようにも、その場所がない。今年ソフトテニスの中体連全国大会が行われる予定だった能登町だが、町での開催は断念し、金沢で大会が行われる。
二角さんが、千枚田に案内してくれた。
白く盛り上がった部分は地震で海底が隆起したのだという。土砂崩れが起こって、道を復旧するのは困難だと思われた場所は、その隆起した海底の上に道路を作って道をつないでいるのだとか。晴れやかだった昨日は、海は変わらず美しく、千枚田では一部でのみ稲が育っていた。
能登名物の観光名所、千里浜のなぎさドライブウェイを二角さんがかっとばしてくれる。砂浜の上を車で走るなんてと驚く。来月またゼミメンバーでここに来ることを約束して、天気がよければこのドライブウェイもみんなで走りたいねと話す。
震災発生後3ヶ月のボランティアの数は、東日本大震災で約 50 万人、熊本地震は約 10 万人。それに対し、能登半島地震では1万人あまりだという。
今日は、二角さんの連載2回目を更新します。「#もう来てもいいよ能登」にこめられた想いを、お届けします。
【この記事をおすすめ】
4月に入った頃から、「#もう来てもいいよ能登」 というハッシュタグを見かけるようになりました。能登人らしく奥ゆかしい表現だと思います。私は、これまで来ないでと言ってきてごめんなさい。被災地は人手が足りていません。ぜひ来てください、という後ろめたさを感じながら発信していたのです。


