
不自由な自由【さとゆみの今日もコレカラ/019】
久しぶりに実家に帰ったとき、昔の日記のようなものを漁ったら、「決められたレールの上を、誰よりも上手く歩いてやる」と書かれていてのけぞった。中学2年生の時か。筆圧が高く、決意の強さがうかがえる。
中学2年生のゆみちゃんは、何を考えていたのだろう。よもやこれほどレールから外れまくる人生を送ることになるなんて、思ってもいなかっただろう。
さて。こと仕事に関しては、レールがある方が萌える。制限が多いほど、工夫ができる。ライターになりたての頃は「(原稿料が)安い、(締め切りが)早い、誰もやりたがらない」仕事を優先的に受けていた。別にマゾじゃない。そういう仕事のほうが、私が輝きやすいと思ったからだ。
予算も納期も潤沢にある自由演技は、ベテランの手数に敵わない。編集者もテープ起こしもつけるから、ライティングに専念してくださいと言われたら、もう、だめだ。私みたいな「原稿以外」で勝負しているライターの出る幕がない。
制限が多いと、発想の羽が広がる。狭い空間の中で、どこかに抜け道はないかと、すみずみまで指を伸ばす。突破口を見つけたら全神経と全体力を集中する。一極集中。かめはめ派。
歳をとるに従って好きにしてください案件が増えたけれど、それでも私は不自由が多いほうが自由になれる。条件が増えるほど、クリエイティブは先鋭する。
縛られるのが好きだ。

