
思い返せば、あの日が始まりだった【さとゆみの今日もコレカラ/第 134 回】
ときどき「この瞬間のことは、絶対に覚えておいた方がいい」と勘が働く瞬間がある。
だいたい数年後くらいにその予感があたる。そして、「このプロジェクトって、元を正せばあの日のアレがきっかけだったねー」と、そのときのことを思い出すことになる。
「デジャヴ」ではなく、「逆デジャヴ」みたいな感じ。のちにこの日を思い出すことを、今の私が知っている。
不思議なことに、その予感が働く時は、ハイスピードカメラで撮った映像のように、その場のビジュアルが海馬にじゅっと焼きつく。視力が突然よくなって解像度があがり、毛穴から吹き出した汗まで見える。
その時の匂いや音、空気の動きなどもはっきり感じられるようになる。なので、「あ、またきた、コレ」と、わかる。
年に何度もあることではないけれど、最近は、「あ、またきた」と思ったときに、頭の中で「思い返せば、あの日が始まりだった」というナレーションを入れることにしている。声は窪田等さん。窪田さんの声を脳内に響かせておくと、その「瞬間」が、「始まりの瞬間」になる確率があがる気がする。
「この夜がきっかけで、翌年、新たなプロジェクトが始動する。そのことを、今はまだ誰も知らない」とか、ね。
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4年前、三軒茶屋のビストロで、「あ、これ、始まりの日だ」と気づいた日があった。
ある仕事で知り合ったメンバー同士が、飲みます? 飲みますか? みたいな感じで集まって、飲んでいる途中で「あの人も声かけよう」なんて呼び出ししたりして、最終的に6人が集まった夜だった。
昨日、そのときその場にいた人から「4年前のこの日があったから、今回の本ができたんですね!」と、写真が送られてきた。私もその日のことを思い出していたから、シンクロに驚く。
そこにいたメンバーのひとりは、今月、初めての自著を上梓して著者になる。
送られてきた写真には男女3人ずつ6人が写っていて、ひとりは本の著者となり、ひとりはその本のライターで、ひとりは本の登場人物になり、そして別の人はいまその本の PR を担当してくれている。
始まりの種はいつも、何年か前に蒔かれている。
過去の花が咲いている今。
未来の蕾でいっぱいな今。(河井寛次郎)
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きらいなものを作り続けている。あまりにも衝撃を受け、他のお客さんがいるのもお構いなしに次々と質問してしまった。


