
「今笑っていない人は、10 年後も笑っていない」【さとゆみの今日もコレカラ/第 137回】
インテリアの買い付けで、モロッコに行ったことがある。ある美容院のブランディングを担当していた時、店舗の内装をモロッコ風にしたいとなって、美容院のメンバーとインテリアデザイナーさんと現地に向かったのだ。
その時のデザイナーさんは、「笑顔以外の顔バリエーションがないのでは?」と思うくらい、終始ニコニコしている人だった。私より年上の男性なのだが、これほど口角が上がっりっぱなしの人を見たことないというほど、四六時中口角が上がっている。
そのことを彼に伝えると、「ああ、僕、意識的に笑顔でいようとしているかもしれないです」と返答された。
話を聞くと、彼の前職はいわゆるブラック企業そのものだったらしい。彼の師匠は、「大成したいなら、今は苦しくても耐えろ」とよく話していたそうだ。
でも、ある日思ったんですと、彼はにっこり笑う。
「今、笑っていない人は、10 年後も笑っていないんじゃないかな」って。
その後、彼は職場を変え、今のインテリアデザインの会社に転職したそうだ。
そこからは、「今も楽しい。10 年後も楽しい」仕事の仕方を心がけているという。その話をしている最中も、ずっとにこにこ顔だった。
✳︎
「今笑っていない人は、10 年後も笑っていない」
10 年後に自分が存在する確率が年々目減りする around50 になり、彼の言葉を思い出すことが増えた。
注力したことの結果がどうであれ、その過程を楽しめていたら十分、モトは取れる。遠い未来を考えて歯を食いしばるだけではなく、今、楽しく笑える仕事をしよう。
そう考える一方で、しかし、そうやって過程を存分に楽しめるのは、結果に厳しくコミットメントしようとしているときだけかもしれないと思う。過程で果実をもぎ取れるくらいになっているとしたら、それは、追っている結果に真剣だからだろう。
だとしたら、「今笑っていない人は、10 年後も笑っていない」だけではなく、むしろ、「10 年後笑っている人は、今も笑っている」のかもしれないね。
対偶もまた真なり。
【この記事もおすすめ】
「どうせしんどい思いをするんやったら、“本当の仕事”をせな損やん!」と思って。自然とフランス料理の世界へ導かれました。


