
大人の大誤算。恋するライフシフト。【さとゆみの今日もコレカラ/第 256 回】
いい歳した大人が「自分が 40 歳だなんて信じられない」とか、「歳をとればもっと大人らしくなるのだと思っていた」などと言うのをよく聞く。「不惑どころか惑ってばかり」なんて、もう慣用句認定すればいいのではないかと思うくらい、みんな言う。
私自身もその仲間だ。
子どもの頃に見えていた「圧倒的な大人」像。いざ自分がなってみると非常に頼りないことに気づく。まさか、こんな未熟者のまま歳を重ねるとは思ってもいなかった。
加えて近年「マジで子どもの頃には想像もしていなかったわ」と感じることがひとつある。「いい歳をした大人も恋をする」(さとゆみ調べ)ことである。
この場合の「いい歳した大人」は、下は 40 代上は 70 代くらいまでを指す。みんな驚くほど恋をしている。そして、泣いたり笑ったり切ったり貼ったりジタバタしたりしている。
「ドラマ『逃げ恥』の功績のひとつは、ゆりちゃん(演:石田ゆり子さん・52 歳 の役)にも恋があることを、若い世代に知らしめたことだ」と言った人がいた。が、50 代どころの騒ぎではない。定年後にも老人ホームにも恋がある。
これは、子どもの頃には想像もしていなかったことだ。
「大人になったからといって、別人になるわけじゃない」ことは、いろんな人が発言していたので、そんなもんかなと思っていた。でも、「子どもが成人する歳になっても恋したりするんだよね」は、あまりみんな大きな声で言わないから、まさかすぎた。誤算すぎる。びっくりぽんだ。
先日「人生 100 年時代」を提唱した『ライフシフト』の著者リンダ・グラットン氏の講義を聞く機会があった。その中で一番わおっ!となったのが、リンダさんの恋の話だ。
登壇者の一人が「前にリンダさんとお会いしたとき、『私、婚約したの!』とハッピーオーラ全開だった」というエピソードを紹介した。リンダさんは、61歳のときに5歳年上の男性と再婚している(現在 69 歳)。
研究者として活躍するだけではなく、コンサル会社を経営している。プライベートでもシングルマザーで息子を2人を育ててきた。そんな女性が、8年前に 61 歳で再婚している。
人生 100 年時代のライフシフトを、自ら体現している。
人生が 100 年になるならば、これまでなかった課題がたくさん生まれてくるだろう。すでに対応している人も多い。
その課題の中に、「恋するライフシフト」も入れたほうが良い気がする。人生100 年。同じパートナーが 60-70 年間もベストパートナーである可能性はまあまあ低い気がする。婚姻制度が機能する期間も、人生のある一時期だけになるかもしれない。
以前母校の女子大でキャリアについて講演した際に、就職せずに専業主婦になりたいと考えている学生が多いことに驚いた。専業主婦が悪いとは全く思っていない。しかし、3組に1組は離婚する国である。
「3人に1人は解雇される(解雇する)職業ですよ。しかもそれは業務成績と 関係なく契約解除になる可能性がある too hard な職業ですよ」と伝えたら、学生さんたちはハッとした顔をしていた。
なーんてことを。
『16 歳からのライフシフト』を読みながら考えておりました。16 歳に教えるべきことではないかもしれないけれど。
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