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「デキる」人ほど「できていない」落とし穴【さとゆみの今日もコレカラ/第 266 回】

先日ある勉強会で、超絶敏腕プロデューサーさんと同じグループになった時のこと。会の中で「これまで自分がやってきた方法でうまくいかなかったことを書き出しましょう。そして、どうすればうまくいくかリフレーミング(枠組みを変えて考え直す)してみましょう」という課題が出た。

テーブルの向こうでそのプロデューサーさんが難しい顔をして唸っているから「へええ、あんなにデキる人でもうまくいかなかったことがあって、今でも解決法がわからなことがあるんだな」と、ひっそり思っていた。

ところが、あとで彼女に話を聞いてみると「私、これまでうまくいかなかったことがないんだよね。いつも目標必達でやってきたからさー」と言う。あ、なるほど。そういうことでしたか。だから難しい顔してたのか。

たとえば、到底無理と思える規模のイベントスポンサー探し。その人は、イベントの主旨に共感してくれそうな企業をリストアップして1日1件アポをとってひたすら順にプレゼンしてまわるのだそうだ。そして必ず目標金額に到達する。でもって、「過去に一度も目標達成できなかったことがないから、『やり方が悪かったのかも』と考える機会がなかった」とおっしゃる。

なるほど。デキる人は何でも力技でなんとかしてしまう。ゆえに、「他にもっと良い方法があるかも」と考える暇もないのか。「これからは、目標必達しちゃう前に、他に方法がないか考えてみる!」と言うその人を見て、凡人のオレ様は、一周まわってバターになったトラみたいな気持ちになった。

さて、その時はその彼女のことを「本当にデキる人のつまずきポイントってビジネス書に書いても全然役に立たないな」と、人ごとのように思っていたのであるが。先日まさかの、「あんたも同じじゃん」と指摘されて、びっくりぽんのことがあった。

私は、『書く仕事がしたい』と『本を出したい』の2つの著作の中で、企画の持ち込み方について詳しく触れてる。私は企画を通すのが得意だし、雑誌ライター時代から、その企画が大きく当たることが何度かあった。そこで、意気揚々と「企画が立てられれば、食いっぱぐれすることないですよ!」といろんな場所で書いたり話したりしていたんだけど、さ。

先日、別の業界の方から「素朴な疑問なんだけど。なんでさとゆみは、そんなに企画を通す必要があるの? ライターって、そんなに営業し続けないと食べていけないものなの?」と聞かれたのである。

ん???

ん?????

あ”ーーーーー!!

たしかにすぎる!!

よくよく周りを見渡すと、バンバン企画を立てなくてもガンガン営業しなくても、何十年も食べている先輩は(後輩も)いっぱいいる。そういう人たちは、リピートの仕事を丁寧に続け、口コミで仕事が舞い込み、どんどん指名が増えている。

私は企画が得意&好きすぎるゆえに毎月いろんな企画をいろんな場所に持ち込みしていたけれど、よくよく考えたら、リピートだけで仕事が回っていたらこんなに新規の仕事を獲得できるはずないんだよね。つまり、それだけリピート率が低いってことじゃないか!!!!

常に新規の企画ばかり追いかけていて、それで仕事が途切れていないから気づいていなかった、「私の仕事のクオリティは、本当はあまり高くないのではないか」説。「私の仕事の仕方は乱暴でリピートに値しないのではないか」説。いや、ほんと、考えたこともなかった。

必達デキてしまうから、他の方法があるのではないかと考えたこともないプロデューサーさんと、企画デキてしまうから、納品物に満足してもらえているかをちゃんと考えていなかった私。

ここにあったか、落とし穴。

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“わかった気になったときが一番危ない”

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