
子どもを萎えさせる言葉【さとゆみの今日もコレカラ/第293回】
先日、『書く仕事がしたい』の担当編集者、りり子さんのトークイベントに行ったとき、「どうやったら、りり子さんのように本をたくさん読む子どもになるのか。読み聞かせなどをさせたほうがいいのか?」という質問があった。
りり子さんのご両親には、本を読む習慣がなかったという。家族の中でも本を好きなのは自分一人だと言っていた。だけど、それがよかったそうだ。人に勧められていたら、本を好きになっていなかっただろうという。
私がなるほどと思ったのは「子どもには2つのタイプがいると思う。大人から勧められたらそれを素直にやってみる子と、勧められたら絶対にやりたくなくなる子。私は後者だった」とりり子さんが言っていたことだ。
実はひそかにこの話に驚いていた。
私自身が「大人から言われたことは何の疑問を持たずに素直にやる」前者タイプだったので、なるほど、後者タイプもいるのかとはじめて知ったのだ。ひょっとしたら世の中的には常識なのかもしれないけれど、トークイベントの会場でガンガン膝を打ちたい気持ちだった。
自分の子どもが5歳くらいのときだったろうか。そこまでいろんなコミュニケーションを試みた結果、「あ、この人は、自分で決めたことしかやりたくない人なのだな」と気づいた。何かを勧めると、途端に萎えるようだった。加えていうと、彼が好きだと思って取り組んでいることも「へええ、それが好きなんだ。えらいねえ」みたいな褒められ方をすると、嫌になってしまうようだった。それに気づくのに5年かかった。
最初から「大人に勧められたらやりたくなくなるタイプの子どもがいる」とわかっていたら、もっと楽だったと思う(おもに、彼のほうが)。
と、書きながら、私も自分自身の体で経験しないと納得しないタイプだから、やっぱり5年かけて気づいてよかったのかもしれないと思ったりしているのだけど。
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30分、話を聞き続けてようやく違和感の謎が解けた。このアスリートは、練習に行くことを「大変」とか「ハード」とかまったく思っていないのだ。


