検索
SHARE

お見合いおばさん、血沸き立ち、昇天する【さとゆみの今日もコレカラ/第443回】

ライターになっていなかったら、多分、お見合いおばさんになっていたと思う。

「ほら、あそこの娘さん、とっても素敵な方でね。おたくの息子さんのお相手にいかがかしら」

そんな感じで、あの人にあの人を知ってほしい、あの人とあの人のコラボが見たい、を毎日画策して、AIにも負けないマッチングを誇っていたような気がする。

私の血液は「おせっかい」でできている。

昨晩、久しぶりに、おせっかいの血が騒いだ。

というか、騒いだどころではなくて、血沸き立つ、くらいの興奮があった。Wikipedia愛好家、運ちゃんのセミナーがあったのだ。

11月にクラウドファンディングをスタートしたときからかれこれ2ヶ月。

この運ちゃんの凄さ、凄まじさ、超人ぶり、変人ぶり(褒めてます)を、どうやったら皆さんにダイレクトにお伝えできるのか。打ち合わせを3回もした。

運ちゃんは、4000人の芸能人のプロフィールを作った過去がある。その後Wikipediaにハマり、これまでウィキに1万回以上寄稿してきた人だ。

運ちゃんは、ある日突然、「さとゆみさんのWikipediaページを作ったんですけれど」と連絡をくれた。その文字数、約1万字。2ヶ月にわたって、私の全著作、webにあるほぼ全部のインタビュー記事、全部のブログ、全部のポッドキャスト(300回分)を聞いて書いたという。

え、どうして私のウィキペディアを? と聞くと「男の子が生まれたので、さとゆみさんがどんな思考の過程を経て、どんなふうにお子さんを育てているのか、知りたくて」とおっしゃる。

え、それで、2ヶ月も? 

「はい、さとゆみ祭りでした」

と、運ちゃんはにこにこと、言う。

全著作を読んだ、と言っていたけれど、もう少し詳しく聞いたら、私がブックライティングした書籍も10冊読んでくれていた。

「ライターとして聞き書きする本に、どれくらい『さとゆみ』がにじむのかを知りたくて」

と、言う。それを知りたくて、10冊! 10冊も???

書籍ライターの私ですら、担当する著者さんのここまでは調べ尽くせない。いや、できるかもしれないけれど、全著者さんに対してそれをやっていたら1年に何冊書けるだろうか。到底食べていけない。

それなのに運ちゃんはそれを「趣味」でやってしまうのだ。「好きだから」でやってしまうのだ。

念の為だけれど、運ちゃんのウィキペディア寄稿は、無償である。本業ではないし、副業ですらない。

本業は芸能プロダクション勤務だったり、広告制作プロデューサーだったり、今はええと、何してるのかな。健康食品を売っている人、かな。

こういうもう、どうしようもなくこぼれてしまう才能を、私はスルーできない。お見合いおばちゃんだからだ。

昨夜、zoomの画面越しに、きてくださった方々が、どんどん運ちゃんの沼に落ちていくのがわかって、嬉しくてたまらなかった。

コメント欄に「運ちゃん、やばすぎる」「運ちゃんのファンになってしまった」「だがしかし運ちゃん、謎すぎる!」が並ぶのを見て、もう、幸せすぎて昇天しそうだった。全員と握手して、その手をブンブン振り回したいくらいだった。だよね、運ちゃん、最高だよね!

そして、気づいた。

ライターにならなかったらお見合いおばさんになっていただろうと書いたけれど、今、まさに私、お見合いおばさんだ。というか、ずっとお見合いおばさんだったのだ。

ライターの仕事についてかれこれ24年。

「ちょっとご存じ? あそこにいらっしゃる○○さん、凄い方なのよ!」を、私はかれこれもう、24年もやっている。

最初は美容師さんで。

次に友人たちの本を出したくて書籍ライターとして。

そして今は、書く人たちを応援したくて。

ヘアカタログも、ブックライティングも、書評もドラマ評も、CORECOLORの連載やクラウドファンディングのセミナーや勉強会も、全部全部、私のお見合いおばさん根性が大爆発している。

イラストレーターの白ふくろう舎さん、インタビューと言語化の鬼・塚田智恵美さん、マンガライターのちゃんめい、チョコレート探究家のアナちゃん(荒木千衣さん)、webライターラボを運営する中村昌弘さん、京都で大学生やライターに文章を教えている江角悠子さん。そして、運ちゃん。

タレントだらけの、さとゆみゼミのメンバーをみなさんに知ってほしくて、そしてこの方達の知見を地球のみなさんにお裾分けしたくて、それで、るんるんしながらクラウドファンディングのリターンを考えては、それぞれにお願いした。

タレントとは、才能のことだ。

私は、私が出会うことができた稀有なタレントさんたちを、たくさんの人たちに知ってほしい根性で、24年間仕事をしてきたんだなあと思う。

お見合いおばさん、幸せだあ。

ライター、最高だあ。

おばさん、まだまだ続けるよ。

「今日もコレカラ」は毎朝7時に更新して24時間で消えるショートコラムです。今日もこれから良い一日を。

【「今日もコレカラ」が1冊になりました】

2023年11月1日にスタートした「今日もコレカラ」の1年分がZINEになりました。ご希望の方はこちらからご注文可能です。1月末に重版分が刷り上がる予定なので、刷り上がり次第お送りさせていただきますね。

【この記事もおすすめ】

writer