検索
SHARE

パソコンを持たないだけで。ケータイの充電がやばいだけで。【さとゆみの今日もコレカラ/第574回】

10日ほど、関西と九州を転々とする。

昨日は、母と息子と一緒に、大阪の万博に行った。

10時過ぎに着いて、いくつかお目当てのパビリオンを見て、その後は見たいなと思った場所が軒並み1時間待ち、2時間待ちだったので、13時には会場をあとにした。同じ高校の先輩、藤本壮介さんが設計した大屋根リングは、想像よりもずっと雄々しく行ってよかった。

じゃあ勉強しようかなという息子を京都のシェアラウンジに残し、私は母と一緒に八坂さんでお参り。次に借りる物件は八坂神社さんが氏神様になるので、いつもよりも丁寧にお参り。

その後、建仁寺さんに行った。前から気になっていた建仁寺の双龍の天井画を拝観したのだけれど、これがまあ、口が開くほど素晴らしかった。廃校になった北海道の小学校で2年かけて描かれたものらしい。辰年の私はもともと龍に思い入れがあるのだけれど、ここの龍は格別だった。

ケータイの充電が怪しかったので、写真を撮るのもそこそこに、廻り縁で足をぶらぶらさせながら、ただただ、のんびりする。枯山水が美しい。観光客はそれなりに多いけれど、石が音を吸い込むようだ。母は、反対方向の襖絵を熱心に見ている。

どれくらいそこにいただろうか。まもなく閉館の時間ですとアナウンスが入り、そうだ、梅湯さんに行こうと思い立つ。

二人でのんびり散歩しながら五条に向かう途中、前に食べて絶品だったコロッケを買う。今日も変わらず絶品だ。母が感動している。

そんなに食欲がないと言っていた母だけれど、コロッケを食べたら元気になったようだ。梅湯の前にくいっと一杯しない? と誘うと、いいねえと言うので、京都ビアラボさんで新作ビールを一杯だけ。滞在20分の間にケータイを充電させてもらい、なんとかPayPayで支払いをする。そのまま梅湯まで2分。汗を流して髪を洗う。

梅湯には、2年連続でCORECOLORの鏡広告を出させてもらっている。4月に新しくなってから行くのは初めてだ。

ここに行く理由の一つでもある「梅湯新聞」の最新号を読んで、バイトの学生さんやOBたちの近況をキャッチアップ。この梅湯新聞をすみずみ読みたくて、先日私はコンタクトレンズの度数を変えたくらいだ。

相変わらず字が小さくて老眼にはしんどい太郎くんの文章をなんとか読む(昨年の尾道一人旅行記がやっと完結していた)。のぼせたので、梅湯名物ちくりんの超・長文は、また今度。

梅湯は先日5月5日に10周年を迎えた。

10年前から梅湯を知る当時大学生だったしほさんが、寄稿文を寄せていて、いまは独立して自分の銭湯を経営していると書いていた。

10年前、こんな人生になると誰が想像したでしょう。私が一番想像してなかった、と書かれている。

彼女の銭湯には、梅湯の常連さんたちもきてくれるのだという。

胸が熱くなる。

風呂上がりのすっぴんのまま、髪だけ乾かして堀さんの日本酒サロンに。このお店でよくお会いする方が、一杯どうぞとシャンパンを振る舞ってくださった。

その方と、その場にいらした別のお客様の故郷が同じことがわかり、そして亡き父が生前よくテニスの指導に通った小学校がとても近いことがわかり、母とお客様の会話がテーブルをはさんで盛り上がっている。

明日は、さとゆみゼミのメンバーで執筆合宿するんですと話したら、堀さんと、ふらりあらわれたライターのなつみとさんも参加してくれるという。嬉しくなってもう一杯飲もうとしたら、息子からお腹すいたと着信がある。急いで迎えにいき、ご飯を食べに行く。

カウンターでたまたま隣に座ったイスラエル出身の男の子と、今日万博でイスラエル館に行ったよと話をする。今はオックスフォードに住んでいるんだ、と彼は言っていた。なんと! 私、7月にUKに一週間滞在するのと言ったら、君が泊まる場所から車で1時間だから、ぜひオックスフォードまできて欲しい。ハリーポッターの世界だよ、と写真を見せてくれる。

来週から彼女が京都に来るんだ。伊勢神宮はおすすめ? と聞かれるから、京都から行くなら車がいいよなどと話す。お店をとても気に入ったらしく、come back againeと言っていた。だったら私ともまた会うかもね、となって、握手をして別れる。

お腹いっぱいご馳走になって、宇治の宿まで到達したら、万歩計が2万7000歩になっていた。

瀕死のケータイを充電すると、堀さん、なつみとさんから、明日はよろしくですというメッセージが入っている。

24時間とは思えない充ち充ちた一日だった。午前中は夢洲にいたなんて、嘘のようだ。

パソコンを持ち歩かないだけで、仕事をしないと決めるだけで、ケータイの充電がやばいから極力ケータイに触らないと決めるだけで、一日はこんなにも増幅されるのかと驚く。

★今日もコレからは毎朝7時に更新して24時間で消えるショートエッセイです。今日もコレカラ良い一日を!

【この記事もおすすめ】

writer