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裸の王様ホラー【今日もコレカラ/第713回】

3連休のうち、どこかはしっかり休もうと思って、昨日は一日中ベッドの中でゴロゴロ本を読んでいた。
読みかけだった1冊を含め、5冊、かな。そのうち2冊が普段はあまり手を出さないタイプの本なのだけれど、もう至極すぎて生きててよかった感あった。

一方で、学生時代によく読んだ有名小説家さんの近年のエッセイを読んだのだけれど、こちらはちょっとびっくりした。
何にびっくりしたかというと、その感性の古さみたいなところに、だ。

「最近の若者は」という十把一絡げな言い方や、「ほとんどの人はこうだけれど」という分析の古さに驚いて奥付を確認したけれど、2024年の刊行だった。「昭和か!」とまでは思わなかったけれど、「20世紀か!」くらいには思った。
なにより論理の破綻がすごかった。1章と2章と3章で、主張していることがわりと真逆だったりして、「え、なんでそんなことが起こる?」と思ってもう一度読み返したら謎がとけた。
「自分がやってきたことは正しい」&「他の人はそれができていない」が立脚点にあるから、自分がやってきたことを他の人がしていなかったら否定し、自分がやらなかったことを他の人がやっていたら否定し、の連続で論理がねじれているのだ。

すっごく怖くなった。
こんなホラー、ある? となった。

とにかくみずみずしい感性で、鋭い観察眼で、明晰な筆致で知られる方だったのだ。
そんな方でも、歳を重ねるとこんなふうになるのだろうか。
筋の通った論理的な原稿を書けなくなるものなのだろうか。
そして、担当編集者はこれら数々の論理破綻を指摘しなかったのだろうか。できなかったのだろうか。

で、一番怖いのは、こういう頑固さというか、自分が見たもの考えたことがすべてになっていく意固地さみたいなところが、私にもがっつりあることだ。歳をとるほど「自分」が強固になりやすくなっている。
本当に背筋がすーっと寒くなって、我が身を100回くらい振り返ろうと思った。そうじゃなくても最近、ブーメラン発言が多いんだ、私。

みなさん、私が裸の王様だったら教えてください。お願いします。

※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。

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