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問題を解くほうじゃなくてつくるほうになる「例の方法」【さとゆみの今日もコレカラ/第753回】

先日、ライターの友人と大学受験の話になった。

私は高校3年生になる直前、ある参考書を読んだ次の日から、国語の試験が無双になった。
全教科では後ろから数えた方が早いのに、国語の試験だけ校内トップに踊り出たり、全国模試でも1桁台、2桁台の順位だったり、いろいろミラクルが起こった。

その時読んだ参考書が、忘れもしない『例の方法』という黄色いカバーの本だ。先日Amazonで調べたら中古で1万2800円の値段がついていた。

この参考書の画期的なところは、「出題者がどうやって『誤答』をつくるか」に着目していることだ。

例えば試験で説明文の穴埋めの4択問題を作るとする。

正解が「進歩」だとしたら、まず、
①逆の意味の「退化」を誤答にする
次に
②類似語の「進化」を誤答にする
最後に
③やや遠いとんちんかんな誤答を作る。たとえば「挑戦」とか「革命」とか

こんなふうに、問題を作る側の思考に立てば、4択問題など、もとの文章を読まなくても設問と選択肢を見るだけで回答できる。
漢文とか、古文とか、まだ習っていない知らない文法や言葉でも、この方法を使えば正解だけはわかる(正確に言うと誤答がわかる)。
そんなアクロバティックな参考書だった。

みんなは、占いみたいじゃね?とか、試験の本質ではないとか言ってたけれど、私は「この参考書、すごいこと言ってるな」と思った。
たしかに、試験の本質ではない。でもなんというか、人生の本質ではあるなと思った。

受験問題を解く側にいるから、解けないのだ。
受験問題をつくる側に行けば、全然違う世界が見える。

だとしたらなるべくはやく
・問題をつくっている人が誰かを見極め
・その人がどういうルールで正解と誤答をつくるかを突き止め
・正解を見つける
のプロセスを辿ったほうがいい。

『例の方法』を読んでから、私の試験の点数は爆上がりした。
が、点数以上にその後の人生に影響を与えてくれた一冊だったなあ。

仕事もだいたいそんな感じで考えているよ。
ライターの仕事にも「例の方法」がある。

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