
今の仕事をしていなければ何をしていたか。【さとゆみの今日もコレカラ/第 121回】
先日同世代の友人たちと飲んだ時、今の職業についていなかったら何をしていたかという話になった。こういう、どこにもいかない話をするのは、楽しい。
人から「向いている」と言われた職業でいうと、データアナリストがある。旧姓時代にビッグデータ解析本の共著を上梓したのだけれど、その時の共著者に、データ解析の素質があると褒められた。昔からローデーターを見るのが好きだった。無数の数字の中からどこを切り取りどんなグラフにすればドラマが生まれるか、わりとよくピンとくる。数字に物語を敷くのが好き。
新卒採用の時には、地方局の制作(ディレクター)職で採用試験を受けたら、企画力はいまいちだがしゃべりがうまいと言われ、キャスター枠でならと内定がでた。就職氷河期時代、内定はめちゃくちゃ嬉しかったけれど、希望の職種ではないので泣く泣く断った。
さらに遡ると学生時代、児童相談所でバイトをしていた時、子どものカウンセリングをする精神科医の先生に、医学部に入りなおせと勧められた。キ ミ、どこを刺されても病まない人だね。キミほどカウンセラーに向いている人はいない。精神科医になれと言われたが、いや国文科ですから。理系全滅です。
ライターになりたての頃は、英才教育で有名な塾の教育指導案を書いて生計を立てていた。一本書いたら、年間全ての講義の指導案を書いてほしいと依頼された。52 本は無理だと断ったけど、半分くらいは書いたと思う。講師にならないかと言ってもらったけれど、教える仕事なんてとんでもない、私は私の私腹を肥やしたいです。
30 代で一度、40 代で一度、銀座のママにスカウトされた。どちらも深夜のバーで、久しぶりに会った男友達の話を聞いている時だった。あなたホステスやらない? 歳はいっているけれど、あなたみたいな子はざくざく稼げるわようと言われて真剣に心が動いた。ざくざくという言葉によろめく。当時は子どもも小さかったし、夜働くのはちょっと難しいなと思ってあきらめた。
アナリスト、キャスター、カウンセラー、塾講師、ホステス。
機会があったら来世以降に挑戦してみたい。めくるめくざっくざくな人生を経験してみたいものです。
と、ここまで書いて思ったけれど、よく考えたら、今、わりと近い仕事をしているのではなかろうか。
ライター業はマルチタスクだ。聞く仕事であり、情報を分析して意味付けする仕事である。そういえば最近、話すも教えるもしているではないか。
キャリアとは、これまで進んできた轍(わだち)のことを言うらしい。いろいろ選択肢があったようで、結局一番フィットした仕事を選んでいるのかもしれない。
みなさんは、今の仕事をしていなければ、何をしていましたか?
「好き」と関わる方法は一つだけじゃない


