
マンガを描きたいならマンガを描きましょう【さとゆみの今日もコレカラ/第 203 回】
昨夜、青山ブックセンターさんで近藤康太郎さんの出版記念トークイベントがあった。1時間半で何度笑ったかわからない。正常と異常をいったりきたり、地に足がついたりトリップしたりしていた。
刻んだ言葉はいろいろあるのだが、ひとつ、
「マンガを描きたいなら、マンガを描くしかない」
「本を読みたいなら、本を読むしかない」
「文章を書きたいなら、文章を書くしかない」
という話が、いまさらながらに面白かった。近藤さんに限らず、多くの創作者がさまざまな表現で伝えてきたことだろうけれど、今回はじめてピンときた。
昨夜は「習慣化」の話の流れで、このフレーズが出てきた。
近藤さんはなぜそんなに本をたくさん読めるのですか? 朝起きてまず 15分間本を読むと書かれていますが、どうすればそれができるのですか? という質問に対して近藤さんは
まず、目をあけなさい。
次に電気をつける。
本を手に持つ。
ページを開く。
ぱらぱらめくる。
少し脳が動いてくる。
そうしたらキッチンタイマーを 15 分でセットする。
15 分間読む。
と答えていた。そして、まずは、キッチンタイマーを買いなさい。買ってないでしょ? とも言っていた。
私は先週の土曜日も近藤さんの講座を受けていたのだけれど、そこでも似たような話があって、その時は「意味がわからないほど難しい本ならば、目玉を上下させるだけでいい。そのうちわかるところが出てくる」ともおっしゃっていた。
これらはそのまま『百冊で耕す』に書かれていたことだけれど、前述のように、今更やっと腑に落ちた。なぜなら、読了後百冊にある本のリストをゆっくり順に読み始めたからだ。あ、本当だ。読めば読めるようになっていくのだなと知る。難解な古典がちょっとずつ理解できるようになっていく。
最近、走れるようになりたくて、走る人たちに「どうすれば走れるようになるの?」と聞いたら、みなが口をそろえて「まず歩け、次にゆっくり走れ」と言うから、その通りにしている(のぶちゃんだけは「まず可愛いウェアと靴を買いましょう」とおっしゃったが)。
朝起きて走ろうと思うまでのハードルが高いとわかったので、そのまま外に出られる格好で寝ることにした。靴下まで履いて寝る。目覚ましが鳴ったら顔も洗わず靴を履く。ドアをあける。エレベーターに乗って外に出る。いやでも歩く。歩いたら歩けるようになる。多分そのうち走れるようにもなるのだろう。
キッチンタイマーを買う。本を開く。
ウェアを着たまま寝る。靴を履く。
もう頑固になった 50 歳手前の脳と体を、そういう小さな積み重ねで矯正していく。やってみなきゃわからないことってたくさんあるなあ。続けてみないとわからないこともきっとたくさんあるのだろう。
今世でもうちょっと、この脳と体を使って地球を満喫したい。
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