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仕事が途切れない理由【さとゆみの今日もコレカラ/第 220 回】

人は、「してもらったこと」の 10 倍の強さで「してあげたこと」を覚えているそうだ。逆に言うと「してもらったこと」は、「してあげたこと」の 10 分の1程度に記憶してしまうことになる。

先日、大先輩のベテランライターさんから「さとゆみさんに紹介してもらった書籍の仕事、無事発売になりましたので本をお送りさせてください」と連絡がきた。

1年くらい前のことだと思うが、ある編集部からブックライティングの仕事をいただいた。私には難易度の高い内容だったので、そのジャンルに詳しい先輩ライターさんをご紹介させていただいたのだ。

そのことはすっかり忘れていたけれど、こんなふうにご連絡をいただくのはとても嬉しい。もちろん本は買わせていただきますとお伝えし、一報くださったお礼を伝える。

そういえば、この件で先輩から連絡をもらうのは2度目だと思いあたる。1年前に仕事が始まったときも、「ご縁いただいたお仕事、今日取材がスタートしました」とメッセージをいただいた。このときも、「こういうところが、何十年も仕事が途切れない理由のひとつなのだろうな」と思った。

いろんな方に、人や仕事をご紹介する機会があるけれど、思い返せば、売れっ子ライターさんほど「仕事を引き受けることになった」「仕事が終わっ  た」の報告をしてくれるなあと気づく。また、敏腕編集者と知られる人ほど、「あのライターさんとの仕事、完了したよ。ありがとう」と連絡をくれる。

売れっ子の人たちは、たとえそれが紹介から何年後にスタートした仕事であっても、たまたま飲み屋で会ったから紹介しただけであっても、その縁の起点まで遡って連絡をくれる人が多い。

そして、新人ライターさんでも、そういった連絡をちゃんとくれる人は、その後だいたい売れっ子になっているなあと気づいた。

もちろん、何の連絡もなかったとしても、「あいつ、紹介したお礼も言わないで失礼だ」と思うことはない。でも、連絡をもらえれば嬉しいし、また何かあったときは頼らせてもらおうと思うものだ。

ひるがえって。

自分を顧みると、お世話になったその瞬間は感謝しても、仕事が完了したころにはすっかり、その恩を忘れていることが多い。その頃には、その人と出会ったのもアドバイスをもらったのも仕事がうまくいったのも、自分の手柄かのように思ってしまっている。ダメダメちゃんだ。

「してもらったこと」が「してあげたこと」の 10 倍忘れやすいのであれば、10倍の強度で心に刻まねば。

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末端である僕の働きかけで、単価を高くするとか、スケジュールを長くするのは、難しいかもしれない。でも、自分のできる範囲でも何かできるんじゃないかと考えたら、「愛を伝える」だったんですよね。

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