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「既視感ゼロ」という戦い方【さとゆみの今日もコレカラ/第 260 回】

今年の年始早々、マンガライターのちゃんめいがやや興奮気味に、「このマンガの編集者さんにインタビューしてみたいんです」と言ってきた。年間おびただしい冊数のマンガを読むちゃんめい。マンガ家インタビューも編集者インタビューも数多く手掛けるちゃんめいが、CORECOLOR で初めて「取材に行きたい!」と言うマンガ。

いったい、どんなマンガなんだろうと思ってすぐに購入して読んだら、驚いた。

『星旅少年』

このマンガの魅力をどう伝えればいいだろう。

最初に思ったのは、静かだ、ということ。そして、とにかく、新しかった。こういうマンガを読んだことなかったな、と思った。そして、気づいたらじわじわと涙があふれてきて、二度驚いた。

エモーショナルな表現があるわけじゃない。でも、しんしんと静かに感情が降ってくる。ちゃんめいは、このマンガを読んで「夜」の濃度が変わったというようなことを言っていたけれど、私は「夜」の音が変わった。

インタビューで、3度目の驚き。

この『星旅少年』を出版するパイ インターナショナルという出版社。まずそもそも、マンガ編集部が、ない。そして、パイコミックスは、マンガを作った経験のない編集者たちがまったく新しいマンガを作ろうとスタートしたレーベルなのだという。

日本のマンガは世界一のレベルだと言われる。競合ひしめくその中に、どうやって新規参入し、そして、ファンを獲得していったのか。なぜ2年で宝島社の「このマンガがすごい!」にランクインすることになったのか。キーワードは「既視感ゼロ」というスローガンだった。

インタビューに答えてくださった斉藤さんのお話は、個人的にも非常に勉強になることばかりだった。

後発で新規参入するとき。すでにあるフォーマットの後ろに連なっても勝負にならない。ほかではやらないこと、できないこと。自分たちがやる意味。自分たちだからこそできること。それを信じてマンガ家さんと二人三脚していることに、勝手にとても励まされた。

CORECOLOR を運営していると

「長い文章は読まれないよ」

「動画入れたら広告取れるよ」

などとアドバイスしていただくことがある。

でも、今あるメディアの、しかも大手と同じことをするなら、私たちのような個人の集まりがわざわざサイトを作らなくてもいいのだと思う。斉藤さんのお話を聞いているとき、CORECOLOR がこの先目指すべき場所を照らしてもらったような気がした。

新規参入。「既視感ゼロ」という旗印。インタビューを、ぜひご覧ください。そして、まさに「既視感ゼロ」の、『星旅少年』も、ぜひに、です。

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【この記事をおすすめ】

マンガに関しては実績どころか、レーベルとしての知名度もない。しかもマンガは競争も激しいから、よほどの勝算がなければ新規参入は難しいと。でも、会社としてもマンガ事業にチャレンジしようという機運が高まっていた時期だったので、棚がないからといって諦めるのではなく、編集、営業、広報、みんなで一丸となって取り組もうとなりました。

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