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自分の値段のつけ方【さとゆみの今日もコレカラ/第 261 回】

好きな言葉第1位は「重版出来」、第2位は「不労所得」です。

おはようございます。さとゆみです。

フリーランス時代に難しかったのは、自分の値段の付け方だった。雑誌はも    ともとページ単価が決まっているので交渉の余地がない。でも、それ以外の仕事や書籍の仕事は「この値段でどうでしょう?」とか「おいくらでやってもらえますか?」と聞かれることが多い。印税率も交渉次第である。こういうとき、いくらと言えばいいのだろう。高すぎると断られるかもしれないし、安すぎるとあとで後悔する。

周りのライター仲間に相場を聞くこともあるけれど、結局最後は自分の「決め」の問題になる。

過去にはいろんな方法を試した。

・講演業は全部一律の値段にした。相手がどこであれ、交渉しない。その値段よりも高い金額でオファーされても、下げてもらって一律にした。これはかなり楽になった。

・マネージャーを雇った。人を挟むと、お金の話がどれほどしやすいことか!

・これはもう時効かなと思うのだけれど、そのマネージャーが辞めたあとも、そのメールアドレスを使って私がマネージャーのふりをして金額交渉した。

交渉をするようになって驚いたのは、企業側は「この原稿料が限界」という値段で発注してくるわけではないこと。「なるべく予算を抑えたほうが自分の評価があがる」立場の人は、予算を残す方向で発注することも多いらしい。だからマネージャー(or エアマネージャー)に、「普段はその2倍の金額でお引き受けしているのですが」と言ってもらうと、あっさり2倍になるケースが多かった。あまりに安いので、「普段はその5倍くらいの金額でお引き受けしています」と言うと、やはりあっさり5倍になったこともあった。

ただし、一律にする方法も、マネージャーに交渉してもらう方法もとても良かったのだけど、でも根本的な解決にはなっていなかったと思う。なぜなら、私の心のどこかに、「高い金額をいただくのは申し訳ない」という気持ちがあったからだ。

あるとき、友人にこの話を相談したら「安く引き受けた仕事って、手を抜くの?」と聞かれた。

その時、「あ、この仕事、手を抜く(工数を減らす)という行為自体ができない仕事だ」と気づいた。

2万円のインタビュー原稿も 10 万円のインタビュー原稿も、同じように下調べするし、同じように時間をかけて書く。原稿料が安いからといってさくっと書くというのは不可能だ。修正依頼があったら書き直しにも応じる。どこかの工程をはしょるから、松竹梅の梅プランでいいですよ、といった仕事の仕方ができない。たとえ手を抜けたとして、出るクレジットは自分の名前だ。半端な原稿を書けば評判を落とすだけである。

それに気づいてから、堂々と自分に値段をつけられるようになった。結局一番大きかったのは、自分にこの値段をつけていいのか? というメンタルブロックだった。

といいつつ。

この間、友人のライターさんたちと会ったとき「こういう仕事、いくらくらいで受けているの?」と聞いたら、ほとんどの人たちが私の2〜3倍の値段で受けていて、ガーンとなった。情報交換も大事である。

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