
「正しく焦る」のススメ【さとゆみの今日もコレカラ/第372回】
つい先日、後輩のライターさんと話をしていた時、「いま仕事がぱつぱつでテンパってます」と言うので、焦ると余計に効率が下がるから、まずは「正しく焦っているか」チェックした方がいいよと、アドバイスさせてもらった。
アドバイスというと偉そうだけれど、わたくし、締め切りに追われ続けて24年。「正しく焦る」ことに関しては、ちょっとプロなのです。
ちょっと聞いてって。
✳︎
仕事がぱつぱつでテンパるとき。
多くの場合、仕事の量自体よりも、「間に合うだろうか」の不安でパニックになっていることが多い。
これは各種仕事が
①絶対に間に合わない
or
②ギリギリだけど間に合う
の判断ができていないからなんですよね。
もし、これがわかっていたら、
①の場合は誰かに手伝ってもらうとか締め切りを延ばしてもらうなどの手段を考えた方がいいし、
②の場合は体調崩さないようにして粛々と働けば良い。
では、なぜこの判断ができないかというと、あと、何時間何分あったらこの仕事が完了するかが読めていないからだと思う。
その見積もりが甘くて「ヤバい終わらない」となるタイプもいれば、この見積もりが厳しすぎて心配するほどでもないのに焦っている人もいる。
そこでおすすめしてるのが、ログをとっておくことです。
『書く仕事がしたい』にも書いたけれど、ふだんから自分が何の作業に何分かかるのかログを取るといい。とくにライターは。
私の場合、スプレッドシートに、作業につくたびイン(やり始め)の時間とアウト(やり終わり)の時間をずらっと書き出している。
入力するのは時間だけ(タイムスタンプのショートカットキー使うと便利)。両方書くと自動的にその作業に何分かかったかが計算されるようにしてある。
たとえばメール返信4通、Aさんの原稿チェック、Bのエッセイ執筆、講義のパワポつくり……。
席を立つ時はまた新しくインとアウトを書き直す。だいたい1日に30-40行のインとアウトが書き込まれる。
この記録がたまると、自分がどの仕事に何分かかるのかがかなりくっきり見えてくる。あと、どれくらい頻繁に休憩をとっているか、SNSに時間を持っていかれているかなどもわかる。
繰り返しになるけれど、これをしていると、
①こりゃ絶対に間に合わないなのか、
②ギリギリだけどなんとかなるなのかが、わかる。
わかると、焦らない。というか、わかると正しく焦ることができる。
こりゃ、今日はSNS禁止とか、今週末休んでる場合じゃないな、とか。誰かに手伝ってもらわなきゃ無理だとか。
では、いまいまテンパってて、そんなログを取った過去もなくて、自分がどの仕事にどれくらいかかるかわからないという人はどうすればよいか。
それでも今日からすぐにログをとった方がいいのだけれど、それもやりつつ、まずは全てのタスクを書き出してみてください。
このときのポイントは2つあって
・Aの原稿を書く
みたいなばっくりしたタスクではなく、
・Aのテープおこし
・構成考える
・執筆
・推敲
くらいには最低分けた方がいい。
もうひとつのポイントは、これに、プライベートのタスクも全部書き出すこと。たとえば牛乳買ってくるとか、歯医者の予約とか。
こういう取るにたらないタスクでも、脳内に残しておくだけでメモリは減る。そういう「覚えておかなきゃいけないこと」は全部出してしまって、脳はクリエイティブなことだけにメモリを全振りできるようにしておく。
どれもこれも、いろんなビジネス書で言われ尽くされていることだけれど、24年間(今のところ)心も体も大きく病まずにやってこれたのは、やっぱりこれのおかげだな、と思います。
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