検索
SHARE

「失敗する」という大事な権利【さとゆみの今日もコレカラ/第449回】

一昨日、Facebookを見ていたら、知り合いの著者さんのお嬢さまが誕生日を迎えていた。

そこには、もう成人しているその娘さんの誕生日に際して、彼ら夫婦が「今までどんなことを大切にして、娘さんに接してきたか」が書かれていたのだけど。

なんというかもう、最初の一文字目から最後の一文字まで、私の頭の中を言語化してくださったのかなと思うくらい、ふだん私が考えていることそのものだったので、思わずその著者さんに連絡をしてしまった。

書かれていたのは、「子どもの『個』をどのように大事にしてきたか」ということ。

子どもが生まれ落ちた瞬間から、自分たち夫婦と子どもは別の人間で、その「個」を尊重してきたということ。

なかでも、

「失敗する」という大事な大事な権利を奪わないこと。

という一文に、そう、私がこれまで考えていたことは、言葉にするならそういうことだった! と、もうぴょんぴょん跳ねたくなるくらい嬉しくなった。

そして、

自分たちの「個」を大切にできなければ、子どもの「個」を大切にすることはできない

という言葉にも。

我が家の息子は、友人たちに「インディペント息子氏」と呼ばれていたくらい、自己がはっきりしていた。

「ボクはそれをやりたくない」「ボクはママとちがう考えだ」「ボクは行かないことにする」を、言葉が通じる前から全身で主張し、言葉が通じようになったらもっとはっきり主張する人だった。

最初はとまどった。

でも、その、インディペントな息子氏と付き合うのは本当に楽しくて。私たちは13年間、お互いが何を大事にしているのかを、いろんな方法でやりとりしながら、人間関係を運用してきた。

そして私はいま、彼のことが、とっても好きだなあと思っている。面白い考え方をする人だなあ、ふふふ、となっている。

いま私は、命に関わることや人に迷惑をかけること以外はだいたい、好きにしたらいいよと言っている。ほとんどの決めごとを、本人に任せている。

そのやり方は難しいんじゃないかなあと思ったときも、口には出さない。本人が工夫してそれを乗り越えることもあるし、やっぱり失敗することもあるけれど、それでいいような気がしている。それがいいような気がしている。

そうか、これは「失敗する権利を奪わない」という言葉で表現できたのか!

著者さんの文章を読み嬉しくなったのは、そっと背中を撫でてもらえたような感覚になったからだろう。

『「うまく言葉にできない」がなくなる言語化大全』など、数々のベストセラーを世に送っている、山口拓朗さんのお話でした。まさに、言語化、だなあ。

みなさんにもご紹介したくて、山口さんの許可を得て、ここに転載させていただきます。

今日は娘の24歳の誕生日。

私と妻にとって

娘は生まれた瞬間から

大切な「個」でした。

年齢こそ、

私たちより30歳ほど下ですが、

「個」という意味では、

どんな人とも対等です。

私たちは、

その尊い「個」を

損ねないことだけに

注意を払ってきました。

大事なことは

親の都合によって

娘をコントロールしないこと。

娘の人生のレールを

勝手に敷かないこと。

かけがえのない

「個」をつぶさなこと。

常識や価値観を

押し付けないこと。

親の劣等感や

負の感情の解消に

娘を利用しないこと。

「失敗する」という

大事な大事な権利を

奪わないこと。

そして、

本人が熱中していること、

「やりたい」と思っていること、

好奇心をもっていることを、

120%応援すること。

さらには、

親自身が自分の

「個」を大切にすることも

心がけてきました。

自分たちの「個」を

大切にできなければ、

子どもの「個」を

大切にすることは

できないので。

私たちは、

生まれてから今日まで

娘という「個」が大好きで

ほどよい距離を保ちながら

見守り続けてきました。

3年前の

突然の妊娠報告も、

驚きこそしましたが、

「産みたい」という

第一声を受けて、

私たちは「おめでとう!」

と心から祝福しました。

尊い「個」が

「〇〇したい」

と言ったことに

反対する理由がありません。

生まれてから今日まで

娘の「個」を、

娘の「人生」を

信じ続けているのです。

逆に言うと、

私たち親にできることは

それくらい、とも言えます。

娘の人生は娘のもの。

どんな理由かわかりませんが……

24年前、娘が私たちを

親として選んで

くれたにすぎないのです。

その(選ばれた)幸運に

ただただ感謝しかありません。

今、娘は社会人として

母として、一人の人間として

充実した日々を送っています。

すばらしいパートナーと

子どもにも恵まれ、

人生を謳歌しています。

​もちろん、

大変なことや

辛いこともあるでしょう。

うまくいかないことや、

七転八倒することもあるでしょう。

でも、きっと、

彼女はそれらの経験も

「個」を光らせる

研磨剤に変えていくでしょう。

もんちゃん、

24歳のお誕生日、

おめでとう!!!

__________

「今日もコレカラ」は毎朝7時に更新して24時間で消えるショートコラムです。今日もこれから良い一日を。

【「今日もコレカラ」が1冊になりました】

2023年11月1日にスタートした「今日もコレカラ」の1年分がZINEになりました。ご希望の方はこちらからご注文可能です。1月末に重版分が刷り上がる予定なので、刷り上がり次第お送りさせていただきますね。

【この記事もおすすめ】

私のモノの見方や感じ方を、子どもに、後輩に、大切な人に押しつけてはないだろうか

writer