
味見をしない女【今日もコレカラ/第835回】
CORECOLORで連載をしてくれている、フードライターの炭ちゃんこと、炭田友望ちゃん。
炭ちゃんが昨年、「炭田の味祭り」なるものを企画して、参加者に料理をふるまったと聞いた。
残念ながら私は参戦できなかったのだけれど、そこに行った人が、後日、「ちょっとびっくりしたんですけれど……」と、教えてくれた。
「炭ちゃん、作った料理をまったく味見しないまま、お客さんに出すんです」
それを指摘したら、炭ちゃんは
「レシピ通りに作っているから、美味しいに決まっている」
と、答えたのだとか。
そう、炭ちゃんは筋金入りのレシピ原理主義者だ。
「レシピを見ずに料理を作ることは、まず、ない」という。
そして、「プロのレシピは何度も試作してベストな味付けになっているのだから、それが一番美味しいに決まっている。アレンジすべからず、味見も不要」という考えに至っているのだとか。
これ、本当に面白いなあと思う。
私は、著者さんのブックライティングをするとき、
「情熱大陸の予告編を作るなら、このインタビューの中からどの話をそれに当てるだろう」
と、いつも考える。
たとえば、落合陽一さんの回で、落合さんがボンカレーのレトルトパックをつぶしてストローで飲んでいたシーンのような。
その人の特徴を、一発で印象付けるシーンは何かと考える。
炭ちゃんの情熱大陸が放送される日が来たら多分、味見をしないでお客様に料理を振るまうシーンを使うだろう。そして「え、レシピ通りに作ってますから。味見はしないです」というセリフをインサートするだろう。
さて。今月の炭ちゃんの連載「レシピ本研究室」。今月は、お菓子作りがテーマだ。
冷蔵庫の残り物でちゃちゃっと料理を作るのに、お菓子作りはしない人(私のことだ)は、なぜお菓子を作らないのか? という問いからスタートしている。
この答えが納得しかなくて、なるほどーーーとなった。レシピ原理主義者の炭ちゃんだからこその、すごいインサイトだ。私には全然思いつかない発想。
面白いから、読んでね。
【この記事をおすすめ】
レシピ原理主義者の私は「レシピを見ろ! プロの技にひれ伏せ!」と思っていたりするが、むろん口には出さない。書くけど。


