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ほんとうのことを書きたいだけなのに【今日もコレカラ/第1006回】

ファッション誌でライターをしていた頃、よく、読者に人気の化粧品ランキングとか、シャンプーランキングみたいなページがあった。
もちろんちゃんと人気投票もするのだけれども、必ず、「このメーカーは入れておいて」とねじ込まれる商品がいくつかあった。広告をもらっている商品や、タイアップをもらっている商品を、さりげなくランキングに入れておくのだ。

このやり方はずるいよなと思っていた。けれども、雑誌の収益を広告に頼っている以上、そういった配慮はしなくてはいけないものらしい。
ライターになってすぐの頃は違和感を持っていたけれども、だんだん「そういうものなんだ」と、慣れていった。雑誌である以上、クライアント重視のページ作りをしなきゃいけないのは、当たり前のことなんだと思っていた。

だから、LDK the beautyができたとき、驚いたというよりも悔しかった。
ちゃんと読者のことを信用して、読者からもらうお金だけで雑誌を作ることだってできるじゃないか。
どこにも忖度せずに、本当に良いと思った商品を紹介することができるんだ。
それをするためにどんな方法があるかと考えもせずに、雑誌とはそういうものだと思考停止した自分が恥ずかしかった。

LDK the beautyは、ちゃんと売れた。今も売れている。読者の方だって、ちゃんとしたランキングが読みたいんだ。それは売れるに決まっている。
私も何度か出演させてもらっているけれど、こちらが推薦した商品やテクニックを「変更してくれませんか」と言われたことは一度もない。
ちゃんと誠実にページを作って、読者に信用されて、お金も稼いで。それって、ただの綺麗事ではなくて、ちゃんと成立するのだ。それを成立させようと思った人を、私は尊敬する。

今でも、私の元には、「ヘアライターとして、お勧めのヘアケアアイテムを紹介してください」といった依頼がくる。

以前よりだいぶ減ったけれども、それでもやっぱり新商品しばりで10種類ぐらい紹介してほしいといった依頼が、たかだか取材の一週間前にくることもある。

当然、その商品を全部試す暇なんてない。コスメならまだしも、ヘアケア商品なんて、ある程度の日数使わないと、コメントなんてできない。
そう答えると、リリースを読んで、成分や処方を見ての感想でも良いからと言われることもある。

そういう時は、お断りする。

良いと思ってお勧めしたものでさえ、人によっては合わないこともあるのだ。それが、リリースを読んだだけでお勧めなんか、怖くてできるわけがない。

真面目すぎるだろうか。
私が断ったとしても、別のライターさんが引き受けるだろう。
その方が日頃から何十種類のヘアケア商品を使っている人だったら、その方のほうが適任だと思う。
私はいまはそうではないから、自分がちゃんと知っている範囲のことで、紹介をしたい。

*

先日、あるメディアさんから、ある化粧品メーカーの商品を取材してみないかと言われた。とても面白いコンセプトで作っている商品だから、取材して商品も試してみてほしいと言われたのだ。

タイアップ記事でも広告記事でもないから取材内容も使った感想も好きに書いてくれていい。500文字でも800文字でもいい。納品形式は、ポエムでも、エッセイでも、レポートでもなんでもいい。感想には一切手を入れないと言われてお引き受けをした。
取材に行ったら、めちゃくちゃ面白い姉妹がいて、ものすごく面白い持論を展開していた。商品を受け取ってからちゃんと2ヶ月、毎日使わせてもらった。で、2ヶ月使った結果、商品のファンになった。
500文字でもいいと言われていたのだけれど、5000字書いた。編集部にお願いして、前後編にしてもらった笑。

昨日、ずいぶん読んでもらえたようなのですが、そんな経緯があっての、この記事です。

「今日もコレカラ」はライターさんも多いので、たまにはと思って裏話を書きました。

50歳だけど、メイクしなくたっていいじゃない! 宣言(外部サイトに飛びます)

本当に思ったことを書く。
たったそれだけのことが、なかなか難しい時代に。
「本当に思ったことだけを書く」を死守しているメディアがあることが、素敵だなと思う。

CORECOLORもそんな場所であれたらいいな。

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最近の私は“時間がないから”書けないのではなく、ほんとうは“書きたいことが浮かばないから”書けなかったのだ。

Writer
#佐藤 友美

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ぐみ

GUMI

#エンタメ #本 #感想家 #取材 #企画 #編集

尾崎 ゆき

#徳島県在住 #ライター #人と人をつなぐ記事制作

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