全部忘れても、好きは残る【今日もコレカラ/第1022回】
先日、柏原由佳さんのトークイベントが素晴らしすぎた話を興奮まみれに書いたのですが、あのトークイベントの中で、もうひとつ印象的だった話を。
柏原さんの絵の中には「無意識シリーズ」と名付けられた作品群がある。その無意識シリーズの発端となったのが、海外のある研究実験だったという。
認知症の患者の人たちに、絵画を10枚見せて、好きな順番に並べてもらう。
日をおいて、それを繰り返す。すると何度やっても、同じ順番になるという実験だ。(さとゆみ意訳)
自分の家族の顔や名前は忘れてしまっても、無意識下の好き、嫌いの感性は沈澱してその人の中に残る。全てを忘れても残り続ける無意識とは何なのか。そんなことを考えたそうだ。
文章にも自動筆記(オートマティスム)という、思考や理性を介さず、頭に浮かんだ言葉や感情をそのまま紙に書き殴る手法があるけれど、それを絵でやっているのが、柏原さんの「無意識シリーズ」なのだという。
全部忘れても、好きは残る。
意識がなくなっても、蓄積された無意識はその人を形作る。
いつかまた思い出すだろう話だった。
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- Writer
- #佐藤 友美
- Back Number
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