検索
SHARE

陰キャと陽キャ【さとゆみの今日もコレカラ/第 200 回】

大河ドラマ『光る君へ』に紫式部と清少納言がともに登場すると、「陰キャ」と「陽キャ」の対比で表現する感想がずらっと X(Twitter)に並ぶ。

作家のタイプを

①陰キャ×こじらせ

②陽キャ×こじらせ

③隠キャ×こじらせていない

④陽キャ×こじらせていない

で語るとしたら、紫式部は①タイプだろうし、清少納言は圧倒的に④であろう(この後、切ない未来が待っているのだけれど)。蜻蛉日記を書いた道綱母は、文章から受けるイメージは①だけれど、ドラマの雰囲気では②であろうか。

これは、『光る君へ』が放送されるよりもずっと前のことだが、編集者さんたちと飲んでいるとき、作家をこの4タイプで考えるとどうなるかといった話で盛り上がった。

多分に飲み会の席での話なので雑で恐縮なのだが、売れっ子の作家さん、とくに小説家ではなくエッセイやノンフィクションを書く作家は①か②のタイプが多いのではないかという話になった。

たしかに近年話題になっているエッセイは、痛みや怒り、コンプレックスからスタートするものが多い。そこに「書かざるを得ない」強いモチベーションがあるからこそ、多くの人に響く文学が生まれるのだと思う。

そう考えると、「こじらせ」というのはちょっと言葉が浅く乱暴すぎるかもしれない。

「こじらせ・こじらせていない」ではなく、「課題意識の高さ・低さ」とでも、言い換えたほうがいいだろうか。

①陰キャ×課題意識高い

②陽キャ×課題意識高い

③隠キャ×課題意識低い

④陽キャ×課題意識低い

この分類になると、紫式部先輩は変わらず①であるが、清少納言先輩は、④ではなく②になるだろう。この分類だと、③や④の人は、そもそも文学を志さないような気もする。

とくに現状に不満がなく、毎日あっけらかんと生きている私は、前者後者どちらで分類しても圧倒的に④である。裏も表もなく非情なまでのぺらぺら陽キャで、これといって人生に不満がない。④of④だ。

このタイプの売れている作家さんってどんな方がいるだろう。というか、課題意識がないのにわざわざ何かを書いている人って、いるのかな、などと考えてみる。

どこにもいかない話なのだけれど、こういうどこにもいかない話を脳内で転がしているのが好きである。

【この記事をおすすめ】

ファーストサマーウイカさんはトークがキレキレ! 頭の回転が早く、思ったことをすぐ口に出すところが随筆家である清少納言そのもの

writer