
自分の取り扱い説明書【さとゆみの今日もコレカラ/第 230 回】
元夫に「10 年近く一緒に生活したけど、ゆみって、機嫌の悪い日が一日もなかったよね」と言われたことがある。
たしかに私は、メンタルの浮き沈みがほとんどない。そんな自分のことを、誇りに思っていた時期もあった。でも、今はちょっと違うことを思っている。元夫と生活していたときは自分の感情に対して不勉強だったのではないかと思う。つまり、ちょっとした違和感や些細な心の変化に鈍感だったのではないかと思うのだ。
20 代の頃の私は、持病のペインコントロールに悩まされていたこともあって、「体の痛みは物理的にあるけれど、心の痛みはないと思えば、ない」と思っていた。だいぶ不感症である。
それが体調であっても、心の調子であっても、自分の傾向を知っておくのは安全側だと思う。傾向がわかると対策が打てる。
たとえば私は気圧が変わる直前に頭痛になる。大きく変わると酸素濃度が落ちる。目に閃光が走ると1時間後には大激痛がくる。マウスを5時間以上連続して使うと腱鞘炎になる。清掃されていない布張りのソファに座るとお尻が真っ赤に腫れる。
これらは、まず先に痛みや腫れといった症状が出る。それが何度か続くと「このような状況があると、この痛み(腫れ)が出やすい」という因果関係が理解できるようになり、ではなるべくその状況を避けようとか、先に薬を飲んでおこうという順番で対処をする。
ところが近年、それだけでは説明がつかない状況がまだいくつもあることに気づいた。そして、何か自分に不具合がおきるとき、それは(体だけではなく)心の疲れが原因ではないかと疑うことをはじめるようになった。どうや ら、自分の不具合は、すべて体由来ではないような気がしてきたからだ(いまさら!)。
比較的早く気づいたのは、早朝の 38 度くらいの発熱はだいたい、知恵熱だということだ。原因不明の熱が出る日の前日はたいてい、非常に興奮する出来事がある。これは5時間くらいで自然に放熱する。
半年くらい前に気づいたことは、寝ても寝ても眠い時は、何かに傷ついている時が多いということだ。昔から、数日まるっとベッドから起きられない日がある。熱はないが圧倒的に体がだるいことが年に数回ある。因果関係をちゃんと観察したら、その直前にだいたい悲しい出来事がある。これに気づいたときは感動した。
これまで自分はメンタルが強いと思っていたけれど、実はメンタルに鈍感なだけだったのだと思う。
私はよく「因果関係をはっきりさせて文章を書きましょう」と言うけれど、自分の心と体の因果関係にももっと敏感になったほうがよいなと感じている。
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私の、あなたの、深く長い怒りの中にはどんな自分、感情が潜んでいるのだろう。


