
「好きを仕事にする」って言ったって【さとゆみの今日もコレカラ/第 242 回】
先日、友人のライターさんと原稿料について話をした。
私たちはともに書くことが好きで、書ければ幸せだと思ってこの仕事についている。「好きを仕事にできた」人たちといえる。
しかし、長く仕事を続けていると、同じ「好き」な仕事の中でもとくに大きな幸せを感じる仕事と、まあ普通に楽しい仕事があることに気づく。そうなると、「好き」の中にも優先順位がついてくる。
キャリアを重ねるほど面白い仕事が増えていくから、「書ければなんでも幸 せ」という状態でもなくなってくる。すると、仕事を「選ぶ」ことになる。問題は、何を基準に選ぶかだ。
えてして、自分が挑戦したい「特別☆好き」な仕事ほど、実入りが少なかったりする。下手すると、お金になるかどうかもわからなかったりする。
そう考えると、「特別☆好き」を実現するためには、別の場所で収入を確保しておく必要がある。できれば「嫌なことをして稼ぐ」ではなく「好き」の範疇で稼ぎたい。
以前、ある著名な画家さんにインタビューしたとき、「みんなどうして、絵で食べていこうと思うわけ? お腹いっぱい食べてから、絵を描けばいいのに」と話をしていた。別の場所で稼いで、思いっきり好きな絵を描く。それの何がダメなの? そんな話もされた。
最近、同義の言葉を聞いた。近藤康太郎さんの言葉だ。「専業ライターであることが、どんだけ偉いの?」と、その場に集まったライターさんたちに語りかけていた。文章だけで食べているかどうかなんて、そんなのどうでもいい。食べる道を確保してから、好きなだけ書けばいい。
さとゆみの収支をみると、昨年はライターとして稼いでいる金額よりも、それ以外の収入のほうが大きかった。
そして、そのお金で今年、(収入にはならない文章を/稿料の低い原稿を)好きなだけ書いており、好きな人たちの原稿を編集している。
「好きを仕事にする」とひと言で言っても、いろんな方法がある。
【この記事をおすすめ】
プロだったら絵で食べようなんて思うな。腹いっぱい食べてから描こうよ


