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夢を叶える順番【さとゆみの今日もコレカラ/第 243 回】

昨日は、「好きを仕事にすると言っても、専業である必要はないのでは?」について書いた。いろんな反響があった。いまは副業もできる時代だから、週末起業も現実的だと思う。

今日はその続きで、「夢を叶える順番」について考えてみたい。

先日、和田裕美さんの舞台「タカラモノ」を観に行った。恵比寿のシアターアルファ・東京。この舞台は和田さんが書いた小説が原作となっている。昨年初上演されたのだが大きな話題となり、今年の再演となった。

シアターアルファはだいぶ大きな箱だけれど、さすがの連日満席で、会場ではいろんな編集者さんや作家さんの顔をお見かけした。私の Facebook では初日からずっと、観劇した人の舞台の感想があがっている。

和田裕美さんといえば、一世を風靡したビジネス著者である。外資系企業でご自身が世界2位の成績をおさめられた経験をもとに、営業を中心としたビジネス書の著作が何十冊もある。著書の累計部数は 200 万部を超えている。

ところが、ご本人とお話をすると、小さな頃から内気な少女で本を読むのが何より好きだった。こんな人生になるとは思っていなかったという。小説を書くのはずっと夢だったそうで、先日お会いしたときも、自身4作目になる小説の構想を話してくださった。

「タカラモノ」は和田さんの半生をモデルにしている。一風変わった母親との関係を軸に描かれているので、私たちは、この物語を「和田裕美というスーパースターを育てたお母様の話」と認知しながら見ることになる。実際に、舞台には「語り」として和田さんも登場している。後半は会場のあちこちで鼻をすする音が聞こえ、感動的なシーンの連続で幕が下りる。

夢だった小説を書き、それを舞台化する。和田さんはそれを、自分が持ち得る全ての力を使って実現した。クラファンをして資金を集め、会う人会う人に声をかけ、その積み重ねがこの満席だ。

もちろん、舞台自体が素晴らしくなければこんな大きな箱を埋めることはできない。それでもやはり、「あの和田さんの人生を知りたい」とか、「和田さんの脳内を知りたい」といった気持ちで、舞台に足を運んだ人も多いだろう。

営業として実績をあげた。その経験を書いてほしいと言われた。ビジネス書著者として有名になった。全国で講演をしてファンが増えた。念願だった小説を書き、それが大ヒットしてさらにファンを増やした。そのファンがこの舞台の席を埋めている。

こういう順番もありなのだ、と思う。

✳︎

書籍が大ヒットしたあと、歌を歌うようになった著者さんを私は5人知っている。武道館で歌ったり CD を出したりしている人もいる。

新卒時代に出版社に落ちまくったけれど、別の仕事をしていたら 30 代、40代で編集長のポジションにスカウトされたという人も2人知ってる。

芸能事務所に入ってデビューするのではなく、出版社に入って出世するのではなく。子どもの頃の夢が、全然別のルートで叶うことがある。そういうのって、面白い。

起承転結なんて言葉があるけれど、人生、何が「起」で何が「転」かなんて、終わった日にしかわからないよね。

【この記事をおすすめ】

私の場合は大好きなマンガを仕事にしよう! と意気込んだことはなく、その代わりに「自分の好きとどう関わっていくのか」をずっと考え続けてきました。

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