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ICUは快適です【さとゆみの今日もコレカラ/第354回】

先日、知り合いが手術を受けた。術後24時間は寝返りもうってはいけない絶対安静になると聞いたので、オーディブルのおすすめ小説を2つ、エッセイを1つ紹介する。

予定より長い手術になったようで、連絡が来たのは夜だった。無事に終わったようで、まずはひと安心。

朝、「ICUは至れり尽くせりで快適です」というメッセが届き、笑ってしまった。何よりである。

「ICU」と「至れり尽くせり」、「ICU」と「快適です」。こういう意外な組み合わせのコピーは心に残るよな、などと、ちょっと違うことを考えたりした。

おすすめしていた原田マハさんの『板上に咲く』は昨夜のうちに聴き終わったらしい。こんなにどっぷりと本にハマったのは久しぶりと書かれている。もう還暦を超えて久しい人だ。仕事を引退してからも10年以上経つだろう。

でも、

「24時間自分の時間なのだけれど、こんな時でもないとじっくり時間をとることがなかった」

とメッセには書かれている。

それを見て、ああ、と思った。

わたしがオーディブルを聴くようになったのは、昨年、出張先の京都でコロナにかかったときだった。帰京しようにもできなくなり、本や動画を見る体力もなく、でも耳だけはなんとか生きていたので、これを機にと気になっていた本を片端から30冊くらい読んだ、というか、聴いた。

このときに、久しぶりにたくさんの小説に触れて、「これらを読まずに死ぬのは嫌だなあ」と思うようになった。今年、ロングバケーションをとった理由も、ここにある。

「こんな時でもないと、じっくり時間をとることがない」という、その人のメッセージが、あとからじわじわとくる。

ICUはたしかに快適だったかもしれないけれど。

入院する前にも、じっくり時間をとること、真面目に考えなきゃ。

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【この記事をおすすめ】

人生の最後に残るのは思い出だ。金を払って得られるのはその経験だけではない。その経験が残りの人生でもたらす喜び、つまり記憶の配当も含まれているのだ。

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