
横書きの情報、縦書きの文学。【さとゆみの今日もコレカラ/第534回】
さとゆみゼミのメンバーと一緒にZINEを作ることにした。せっかくだから5月11日の東京文学フリマに間に合わせたいと思って、いま、超特急で作業を進めている。(さ-86 /南3-4ホールです。ぜひきてくださいね)
過去にこのCORECOLORに掲載した原稿を中心に1冊にまとめようという話になっているのだけれど、これまたせっかくだから、縦書きのZINEにしようと思っている。普段web用を書き慣れている人たちにとってはきっと楽しい経験になると思う
これは岸田奈美さんがデビュー作のトークイベントでおっしゃていたことだけれど、webで書いていた原稿は、そのまま縦書きの本にはできない。英数字を漢数字にするとか、そういったことだけじゃない。横書きでは気持ちよく読めていた文章が、縦書きにすると突然ファットに思えることがある。密度みたいなものが、違ってくるのだ。岸田さんも、細かく原稿に手を入れたと言っていた。
私の「今日のコレカラ」のZINEもそうだ。そのまま縦書きフォーマットに流したときから、実は150ページ分削っている(お気づきでしたか?)。『ママはキミと一緒にオトナになる』も、連載時の原稿からだいぶ手を入れている。
さて、この縦書きと横書きについて。
先日、ライター仲間のえずさん(江角悠子さん)にZINE講座をしていただいたとき、ちょっと面白い発見があった。
懇親会でファッション誌のレイアウトでは「箱組み」が大事だという話になったときだ。
箱組みとはたとえば、商品につける説明文や、プロセスのキャプションなどを書くスペースが、20文字×8行だった場合。私は、160文字ぴったりか、159文字、最悪でも158文字で書くように習った。
つまり、20文字×8行の枠がびっしり埋まって、文字の塊が長方形の形になるようにするのだ。これを「箱組み」という。
ファッション誌はビジュアルの媒体である。だから文字も美しく「配置」される必要がある。150文字書いて10文字空白を余らせると、見た目が美しくない。150文字でよい文章でも、160文字まで書いて必ずピタっと箱組みさせなさいと習った。
ただ、このルールが適応されないケースがある。それはたとえば、インタビュー原稿などだ。そうして、インタビュー原稿などの長文は、雑誌では縦書きでレイアウトされることが多い。縦書きの文章のときは、箱組みにこだわらなくていい。行の途中で文章が終わってもいいと習った。
つまり、雑誌にとって
・横書きの文章は「情報」
・縦書きの文章は「読み物」
なのであろう。
「読み物」は、「文学」と言い換えてもいいかもしれない。
横書きで書いてきたwebの連載が、縦書きになった瞬間、「このままでは読めたものじゃないな」と思うのは、そういうところに理由があるのかもしれない。情報ではなく、読み物(文学)として読めるのか。それが問われているのかもしれない。
「今日もコレカラ」は、毎朝7時に更新して、24時間で消える文章です。今日もコレカラ、良い一日を。
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こうして紙に印刷されたものを改めて読んでみると、全然だった。恥ずかしい。

